6種類のインコというのは、ヨウム、キボウシインコ、ワカケホンセイインコ、ダルマインコ、オカメインコそしてセキセイインコ。
小型と中型種はともかく、大型のキボウシインコとヨウムの世話が大変ということがすぐに分かった。
キボウシインコのマイちゃん。ワカケのツキちゃんと同じケージに同居していた。
このケージに私が近づくとマイちゃんが怖い目をしてケージにくちばしでドンと突いてくる。
ツキちゃんのほうに近づくと、いっそうこの威嚇が強くなる。まるで、「俺の女に手を出すんじゃねえ」というかのような表情なのだ。
こんなふうに威嚇されたのでは、餌替え、水替え、ケージの掃除など、怖くてできない。
そしてヨウムのダイちゃん。おしゃべり上手で、陽気な感じ。ところが、こちらも餌替え、水替えのときに必ず、指先を噛んでくる。そのときの噛む力と鋭さが半端ではないのだ。
危ないので、ゴムがコーティングされた軍手をはめて、作業することにしたが、その指先を噛んで放さない。
軍手の指先のすぐにボロボロになった。
おかしいのは、指先を噛みながら必ず、「イテテ」と口にすること。「痛いのはこっちや」と突っ込みを入れていたが、たぶん、前の飼い主さんも同じことをされていたに違いない。
そのときの飼い主さんの口癖をそのまま覚えてしまったのだろう。
インコ類は時々放鳥が必要ということで、ダイちゃんをケージから出したときのこと。
ゆっくりとケージから出てきたと思ったら、そこから飛んで私の右肩に乗った。
鋭いつめが肩に食い込んで痛かったが、我慢できないほどではない。
止まった肩から腕のほうに徐々に移動して、前腕まで到達したと思ったら前腕をガブリ。
痛いと手を振り上げたら、ダイちゃんは驚いて飛んで逃げた。
噛まれたところはV字型に出血。これはうっかり外に出せないと思った。
飛んで逃げた後、別のケージの上に止まった。そこからまたこちらに飛んでこようとしたので、手を振り回して、それを拒否。また噛まれたのではたまったものではない。
ヨウムの噛む力は半端ではない。水替えのときに危ないので、マヨネーズを入れるプラスチックの容器を使ったところ、その尖った先端に噛み付いたかと思うとパチンと食いちぎった。まるで大型ニッパで食いちぎったような鋭い切り口。
それが分かったときから、ダイちゃんのケージには手を近づけるのが怖くなった。