サルコペニア 酵素 毒蛇 1

まるで三題話のような表題。何の関連もないような3つの言葉には、ある共通点がある。それは何か。

答えは後回しにして、それぞれの言葉の意味を考えてみる。

サルコペニアは、高齢者の健康維持に関して、最近良く耳にする言葉。似たような言葉にフレイルというのがある。さらにはロコモ。これも最近、健康食品とか、サプリメント関連で目にする言葉だ。

まず、フレイルの意味から。フレイルとは英語のfrailtyから。frailtlyの形容詞形はfrailなので日本では、これが元になり、高齢者の虚弱状態を指す言葉として使われる。

虚弱状態の原因はさまざまある。身体的なもの、精神的なものなど。

次にロコモ。あるサイトのロコモの説明をそのまま書くと次のようになる。

ロコモティブシンドローム(locomotive syndrome)とは、「運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態 」1)のことを表す。2007年に日本整形外科学会によって新しく提唱された概念。

運動器の障害とあるが、運動器には筋肉、骨、関節などさまざまな器官が含まれ、その中の一つ、あるいは複数のものに障害が起き、それが原因で身体の移動に支障をきたしている状態のことだ。

以上二つの言葉に対して、サルコペニアとは、もっぱら筋肉だけに着目し、加齢による筋肉量の減少および筋力の低下のことを指す。

つまり、3つの言葉のうちの最も意味する範囲が限られているのが、サルコペニアで、ロコモはサルコペニアの含み、さらにフレイルはロコモを含むという関係になっている。

このサルコペニアの状態を改善するのに必要なこととして、たんぱく質の積極的摂取ということが推奨されている。

一日当たりのたんぱく質摂取量は体重1kg当たり1g。つまり、体重60kgの人なら一日60gのたんぱく質の摂取が必要ということだ。

このたんぱく質の摂取量に関しては、私は疑問を持っている。

それは、年齢が進むにつれ、食物の消化能力が落ちていくことを無視したものだからだ。

若いときには、体重1kg当たり、たんぱく質1gの摂取は適性量であっても、消化能力が落ちた老齢期に同じ量のたんぱく質を摂っても、消化能力が追いつかず、有効な吸収ができない。

うまく消化されなかったたんぱく質は小腸から大腸へと押し出されて、そこで悪玉菌の餌となる。

悪玉菌が豊富な餌をべ、増殖を繰り返し、人体にとって有害な物質を増産する。

悪玉菌が作り出す有害物質の多くは、発がん物質であり、その影響を最初に受けるのが大腸だ。

大腸がんは近年その数を増やし続けていて、その原因が食事の西欧化にあるとされている。

食事内容の西洋化とは、肉類の多食であり、別の言い方をすると高たんぱく質食である。

それでは、植物性のたんぱく質なら良いかというと、動物性であれ、植物性であれ、たんぱく質には違いがなく、大腸に住む悪玉菌は消化されなかったたんぱく質から有害物質を生成する。

筋肉量が落ちているからといって、高齢者が高タンパク質食を摂ることは別の健康問題を引き起こすだけだ。