サルコペニア 酵素 毒蛇 3

さて、三題話の三つ目、毒蛇。蛇毒のタイプの種類には大別して2種類ある。あるサイトの説明を引用してみる。

ヘビ毒は、神経毒と出血毒に大別されます。

コブラやウミヘビの毒は神経毒が主体で、クサリヘビやマムシの毒は出血毒を多く含みます。
これらのヘビ毒は、いずれも本体はタンパク質であり、唾液などの消化液(消化酵素)が高度に進化したものです。

なんと、毒蛇の毒は元々は蛇の唾液だったわけだ。そして、毒蛇の毒の中にはいくつもの種類の酵素が含まれている。

それらの酵素は獲物の神経を麻痺させたり、出血によって死んでしまうような傷を与える。

ここまで書けば、今回の「サルコペニア 酵素 毒蛇」の3つに共通するのは、「たんぱく質」だと分かるだろう。

たんぱく質という言葉からは、普通、栄養素の一つとしか思わないだろうが、蛇毒のような恐ろしい物質も実はたんぱく質の一種だ。

上記、蛇毒の出血毒に関して別のサイトを引用してみる。

一部の動物にとって、血液毒は、獲物を殺す事に加えて、消化を助ける役割も持つ。毒液は噛まれた部分の蛋白質を分解し、獲物を消化し易くする。

元々が唾液なので、しとめた獲物の消化にも使われるという、二通りの役目を果たしている。毒蛇の毒というのは生物の進化の一つの究極も形なのだろう。

上記引用部分で、蛇毒が「噛まれた部分の蛋白質を分解し」とある。つまり、蛇毒の中に、タンパク質分解酵素が含まれているということ。

タンパク質分解酵素は人間の消化酵素にも含まれるが、人間のタンパク質分解酵素

蛇毒の中のタンパク質分解酵素は同じものではない。

ついでなので人間のタンパク質分解酵素について、あるサイトの説明の引用。

食物が胃で強い酸に合うと、タンパク質の立体構造が壊れ(変性)、酸性状態で最も良く働く消化酵素ペプシンの作用を受けます。
次に十二指腸へ送られた食物は、膵臓から出る膵液と混じります。膵液は重曹を含み、胃酸で酸性化された食物を中和します。トリプシン、キモトリプシン、ペプチダーゼ類など、中性下で働くタンパク質分解酵素を含む膵液は、消化液中最も強力といわれています。

蛋白質は二段階に分けて分解されることが分かる。まずは胃で胃酸とペプシンという酵素の協力関係で、第一段階の分解。

ついで、すい臓からでる消化液に含まれるタンパク質分解酵素のトリプシンなどによって第二段階の分解が行われて、ついで送り込まれる小腸でアミノ酸として吸収されるわけだ。

一方、毒蛇の出血毒の中のタンパク質分解酵素はアリルシダーゼ、エンドペプチダーゼなどだ。タンパク質分解酵素は一まとめにプロテアーゼと呼ばれるが、その中にはいくつもの違ったものが含まれる。

以上、表題の「サルコペニア 酵素 毒蛇」の今回のシリーズで、たんぱく質といってもその働きはさまざまで、その一種の酵素というのも色々、なかなか奥の深いものだということが分かったのではないだろうか。