野犬の訪問3

  • 自分の方から私に近づいた野犬

カメラを取りに戻った際に、ついでに持ってきた犬用スナックを河川敷道路に置いてみたところ、目の前に現れた野犬たちは、それを食べた。
食べ物を食べて満足したのか、犬たちは川下の方に去っていった。二匹が突然現れたのには、何か理由でもあったのか。この時はよくわからなかった。
後日、向かいの家の人から、5月4日、つまり野犬の写真を撮った次の日の早朝、5時半ごろに、うちの門のところに、二匹の野犬が姿を現し、家の外飼いの犬たちが、激しく吠えていたと教えてくれた。

  • 同じアングルで撮ったブンタ

うちの犬があまりに激しく吠えたため、目が覚めたという。不覚にも、私はそのことに全く気がつかなかった。
さらに、それから数日後、散歩中に出会った近所の人から、二匹の野犬が、二日連続、早朝にその人の家の門のところにやって来たあと、私の家の方に歩いて行ったことを教えてくれた。
どうやら二匹は、私を訪ねてやってきたようだ。
理由を考えるに、空腹になって、以前餌をくれた人間のことを思い出したのではないだろうか。

  • 土手を登ってこちらに近づく野犬

この二匹が最近、どのあたりを活動の拠点にしているか、全くわからない。
連休中に、何らかの理由で、その活動拠点では、餌にありつけなかったのではと考えられる。
家の門のところに行けば、飼っている犬たちが吠え、それで自分たちが来たことを私に知らせることができると、多分そこまで考えた上での行動だったのだろう。
家にカメラを取りに戻る間も、同じところにとどまり、食べ物にありついたあと、立ち
去ったことが、この推察を裏付ける。

  • 里子のえな(上の野犬とよく似ている)

野犬として生きていくには、飼い犬には及びもつかないような、賢さと用心深さがいるだろう。
信用できる人間とそうではない人間の区別も野犬として生き延びる知恵であるようで、どうやら、私は前者として、この二匹に認識されているようだ。