野犬の訪問2

カメラを持って、川の土手に戻ったところ、二匹の野犬は、同じ場所にいた。私が戻るのを待っていたかのようだった。

  • くうやエナ良く似た野犬

サブの兄弟犬は、私によく慣れている。というのも、サブたち三頭を保護したあとも、川原に残った三頭を保護するため、この犬たちに餌付けをしたからだ。
手懐けて、家に連れて帰ろうと思ったのだが、これはうまくいかなかった。野犬の子犬たちはある程度までは、警戒心を解いて私に懐いたが、ある一定以上の距離を常にとって、それ以上近づこうとはしなかった。
餌付けの期間はかなり長く、半年以上続いたと思う。その後、サブの兄弟犬は、先代のリーダーと一緒だったメス犬と共に川原から姿を消した。それが、一昨年の11月のことだった。

  • サブの兄弟犬(ブンタにそっくり)

その二匹が、突然、私の目の前に現れた。カメラを構えても、逃げる様子もなく、サブの兄弟犬は、土手を登って私に近づいてきた。
二匹の写真をなん枚も撮って家に戻った。撮った写真を見てみると、メスの方は里子に出したくうや、エナに実によく似ている。
二匹の母親は、多分、このメスの子供なのだと思う。つまり、二匹にとって、おばあちゃんなのだ。隔世遺伝というか、くうやエナは母親より、祖母ちゃんに似たわけだ。
サブの兄弟犬の方は、家にいるブンタに瓜二つだ。いずれにせよ、これまで保護した子犬たちとの血縁を強く持っているのは間違いない。