子猫のシャー


24日の土曜日と、次の日曜日の午前中はかなりの雨が降った。
雨が降って川の水が増水したときは、様子を見るために、出かけることが多い。
野犬グループのメスが子犬を産んで、増水のときには、その子犬とともに、堤防に避難していることがあるからだ。
家から川の下流、2kmほど離れたところまで、自転車で行き、その後川の堤防に上がって、帰りは堤防の草むらを子犬がいないかどうか、探しながら家まで帰る予定だった。
堤防沿いの道路を下流に向かって自転車を走らせているとき、道路わきの散らばったゴミの中に、茶色の毛の塊のようなものが目の端に止まった。
一瞬のことなので、そのまま通り過ぎるのが普通だが、ひょっとしてという気持ちから、自転車のブレーキをかけた。
約5mほど行き過ぎたところで、自転車は止まり、その毛の塊が何であるか、確かめるため、引き返した。
毛の塊は、やはり動物の毛の塊だった。顔を近づけて、よく見ると、それは雨に濡れて、じっと動かない子猫だった。
生きているのか確かめるため、摘み上げようと手を伸ばすと、子猫はこちらに向かって爪を立てた前足を振り上げて、シャーという威嚇の声をあげた。
まだ、それほど弱っていない子猫だった。野犬の子犬と同じで、見つけたからには、そのままにしておくわけにもいかず、連れて帰った。
画像は、その時拾った子猫の今日の様子。名前は付けていなかったが、最初の威嚇の声をそのまま名前にした。