新たな子犬たち2013-3-5

  • 10月18日に保護した子犬(2013年10月21日撮影)


うちに連れて帰った子犬の体を早速調べてみた。
体の腹部一帯がべっとりと何かで濡れたようになっていた。どうやらそれが悪臭を放っているようだった。
蛆虫はへその下あたり、右後ろ足の人間で言えば足首に当たる関節部分、左足の付け根部分それぞれに数十匹が群れを成して喰らいついていた。
べっとり濡れたようななっていたのは、蛆虫が喰らいついている皮膚からたくさんの粘液、つまりリンパ液が出ていたためだった。
幸い、蛆虫はまだ筋肉組織までは達しておらず、蛆虫を退治して皮膚組織が再生すれば傷跡も残らないように思えた。
まず、喰らい付いている蛆虫を指で払いのけようとしたが、うまくいかない。蛆虫は強固に喰らいついていて、指で払ったぐらいでは、まったく取り除けない。
それではと、指先でつまんでつぶそうとしたが、これが驚くほど丈夫。指先にいくら力を込めても、全然つぶれない。
そこで、今度は水攻め。子犬を風呂場に連れて行って、蛆虫を洗い流すことにした。
べたついたリンパ液を落とすことも出来るので一石二鳥。シャンプーを使い、全身を洗った。
今度はかなりの数の蛆虫を取り除くことが出来た。たらいに子犬を入れてシャンプーしたのだが、たらいの底に小さい蛆虫がたくさん溜まっていた。
それでも、取り除けたのは、約七割ほどで、全部は取り除けなかった。蛆虫は水攻めでは、窒息しないらしく。皮膚の割合深部まで達している蛆虫は、シャンプーしてもピンピンしていた。
これはもう素人では対処できないということで、夕方の5時を少し過ぎた頃、子犬を獣医のところに連れて行った。
薬用シャンプーで体を洗ったあと、三人がかりでピッセットを使って、蛆虫を一匹ずつ取り除いてもらった。
子犬はやっと楽になったのか、連れて帰って、いつものカゴに入れるとすやすや眠り始めた。
中州できゅんきゅん鳴いていたのは、たくさんの蛆虫に文字通り、体を虫食まれ、痛くて仕様がなかったに違いない。