それからのシロ

5月にうちから脱走したシロ。懐かなかったとはいえ、10ヶ月世話したので、脱走してからどうしているのかと心配で、近所を探してみたところ、50mほど離れたお宅に出没するらしいことが分かった。
そのお宅には、雌猫が3匹いて、その猫たちにつられてあたりをうろうろしているらしかった。
餌は食べていないようだったので、どうするのだろうと思っていると、脱走から一ヶ月ほどたってからは、一軒置いた隣のお宅で、餌をもらっていることが判明。
このお宅には、以前から出入りしている野良がいて、シロは、そこのお宅に行けば、餌にありつけると知ったようだ。
さすが年季の入った野良猫は野良での生活をよく心得ている。ちゃんと餌がもらえる場所を嗅ぎ当てるようだ。
で、シロが出没する時間帯にそのお宅に行ってみた。案の定シロがそのお宅の勝手口近くにいた。
「シロ」と声をかけると、こちらを見た。声をかけたのが私だと分かると、すっ飛んで逃げた。
10ヶ月間の家での生活はシロにとっては監禁状態でしかなかったようだ。こいつにまた捕まっては大変とばかりに、逃げ出したというわけだ。
餌を与えているお宅の人に聞くと、毎日、時間になるとやってくるという。与えているキャットフードは質も量もたいしたことがないとのことなので、そのお宅にやってくる時間を見計らって、家のワンコがやってこない、お隣との境界付近に餌を置いてみた。
「シロ、シロ」と声をかけて、餌はそのままにしておいた。
後で見に行くと、ちゃんと食べてあった。
それからは、一日に一回、同じ場所に餌を置いておくと、食べにやってくるようになった。
画像はそのときに撮ったもの。私が近づくと逃げてしまうので、窓越しに撮った写真。
もうすっかり野良の顔。