日本人の英作文2015-4

「つばめのつんちゃん」の英作文、3回目。課題箇所と訳文の例はつぎのとおり。

その夜、まりちゃんは、サリーちゃんがつばめにのって、空をとんでいる夢を見ました。つばめの背中から,手をふっています。風にのって、気持ちよさそうです。
訳文1
Mari dreamed Sally flied in the sky on the swallow that night. She waved her hand on the swallow. She rode the wind looking very comfortable.
訳文2
At that night, Mari dreamed of Sally flying in the sky on a swallow's back. She was waving from there seeming pleasant on the breeze.

「その夜」をどう英語で表現するか。これに関しては次の英語に関する海外のフォーラムに寄せられた質問と、それに対する回答が参考になる。
http://forum.wordreference.com/threads/at-that-night-on-that-night.812194/
質問者は広東人。香港で英語をESLとして学んでいるようだ。
しかし、質問のための例文が適切ではなく、最初の回答は質問者が聞きたいこととは大きくずれている。
こうしたことは、日本人が英語ネイティブに英語に関する質問をしたときにも頻繁に起きる。
二人目の回答者が質問者の意図を汲み取り,その疑問に適切に答えている。
要するに、nightの前に使う前置詞は"at"なのか、それとも"on"なのかを知りたがっており、回答は"on"だとしている。
ちなみに日本人的感覚だと"on the night of the day"としたくなるところだが、こうした用例はネットの一般検索ではかなり限られた数の用例しか見つからない。
動詞の後に来る副詞句として用いる場合は、訳文1のように"on"も使わないのが普通。
ただし訳文1の"that night"の置き場所は適切ではなく,"dreamed"の直ぐ後が正しい。
「〜という夢を見た」の表現は動詞に"dreamed"を使っても良いが、"had a dream that/in which"とする場合のほうが多い。
訳文2のような、"dreamed of someone's 〜ing"のような表現は文法的には正しいが,実際の用例がどれほどかは不明。
夢の中のシーンでサリーちゃんの飛行を最初から最後まで見たというなら,訳文1でよいが、飛行中のシーンだけを見たとか、そのシーンをハイライト的に述べたいとか,飛行の様子を動的に表現したいとかいう場合は進行形にしておく。
「手をふる」は訳文1のような表現に日本人はしてしまうが、「日本人の英語」のマーク・ピーターセンによると、これでは,サリーちゃんは手がひとつしかないことになる。
振ったのが片手の場合、右手か左手を明らかにするか,"one of her hands"という言い方をしなければならない。両手を振ったのであれば、"her hands"でよい。
あくまで正確を期する英語と、大体の表現で済ます日本語との違い。
訳文2は「手」を無視している。"wave"には自動詞の用法があり、それだけで「手を振る」の意味があるが、それは"wave at/to"などの前置詞といっしょに使った場合。
"from"と一緒に使えるかどうかは分からない。用法として正しいかどうか不明な表現は避けるのが無難。

訳例
On the night, I had a dream in which I saw Sally-chan flying on the back of a swallow. She was waving at me from there. She looked very happy riding on the wind.