大岡越前

NHKプレミアムで、リメイク版の大岡越前を見た。
それぞれの登場人物を演じる俳優たちは異なるものの、前作の雰囲気を忠実に再現していた。テーマソングを前作のものをそのまま使ったこともその要因だろう。
前作の初回は1970年。実に43年も前のことだ。
今回のリメイク版を見ていて、一つ一つのシーンで、前作の登場人物のせりふ、声、表情が鮮やかに蘇ってきた。
最近、物忘れがひどくなり、いよいよ痴呆の始まりかと思いかけていたが、記憶力がほとんどピークの時に刷り込まれた記憶の鮮明さは、自分でも驚くほどだ。
主人公の越前役はもとより、榊原伊織役の竹脇無我、越前の父親の片岡千恵蔵、母親役の加藤治子などの名前が次々と、埃を被った記憶棚から取り出されてくる。
まだまだ記憶が断片化はしていないなと思ったが、はて、越前と伊織のそれぞれの許嫁を演じた女優の二人の名前が出てこない。
うーん、やっぱり記憶がさび付いたか。そこまで出かかって思い出せないのは、ずいぶんと不愉快というか、思い出せるまで、気持ちがすっきりしないものだ。
このブログを書こうとした矢先、突然、二人の女優の名前が脳裏に浮かんだ。
そうだ、土田早苗と宇都宮雅代だった。
昔の歌謡曲を聴くと、それがはやった時代を彷彿とさせるように、リメイク版大岡越前は、前作を見ていた頃の時代を、まるで昨日のことのように蘇らせてくれた。