日本人の英作文46

「日本人の英作文41」で取り上げた部分が45回の続きの部分になる。
あらためて、原文と訳文、それと私の訳例を以下に掲げる。

原文: 生まれ変わりかと思いました。まだ毛がチョコレート色の子犬で、「この子は『チョコ』だ」とその場で名前まで付けて、飼うことを即決しました。
訳文1: First, I thought I saw Charo again after all. Without hesitation, I decided to keep the puppy and named it her Choco, because her fur was yet chocolate-brown.
訳文2: I felt as if she were Charo himself. She was a puppy with chocolate colored hair. I decided to keep her, even naming her Choco on the spot.
訳例:She looked like Charo, so I thougt he came back to me. But actually, it was a chocolate-brown color puppy. I named her Choco on the spot and decided to bring her home as my pet dog without hesitation.

「日本人の英作文41」で、「生まれ変わりかと思いました」の部分を、和英などにある「生まれ変わり」の訳、reincarnationは不適切だと述べた。
ここでは、その理由をもう少し詳しく述べることにする。
Longmanによると、reincarnationはつぎのように説明されている。

reincarnation
1 [uncountable]the belief that after someone dies their soul lives again in another body
2 [countable]the person or animal that contains the soul of a dead person or animal
reincarnation of
She thinks she is a reincarnation of Cleopatra.

上記の説明の1.の場合が「生まれ変わり」に相当する。英語でborn againまたは、rebornとも表現される。
2.の場合は、死んだ人間、あるいは動物の魂が、別の人間なり動物の体にとりつく場合を含んでいる。
1.の場合は、別の人間として新たな人生を歩むことになるので、特に問題はないのだが、2.の場合、取り付いた別人格がすでにある人格に取って代わることになると、これは怖い話で、実際、これをテーマにした洋画ホラーも数多い。
さて、その1.の場合の「生まれ変わり」だが、新しい体にすでになくなった人物の魂が宿るのだから、見かけはまったくの別人だ。
しかし、生まれた時から、前世の記憶、人格を持っている。これがreincarnationとされるものだ。
この前世の記憶は、新たな人生の始まりのときに、記憶の奥底にしまいこまれ、本人もそのことに気がつかない場合が多いとされる。
それが何かのきっかけで、発現し、「自分の前世は…だ」という場合があるのだという。
荒川静香のエッセイにあった「生まれ変わりかと思いました」は、上記のような事象とはまったく関係はなく、ペットショップで出会った子犬に、以前飼っていた犬と似たようなところがあったというに過ぎない。同じ犬種なのだから、見掛けが似ているのは当たり前だ。
ちなみに、私自身は、reincarnationだの、前世だのということはまったく信じていないのだが、次に引用する番組を見ると、それを否定することは難しいと感じた。
この番組は、報道番組を主にしているアメリカの放送局、ABCのもので、日本のバラエティーショーなどとは一線を画したものだ。
私自身は、この放送ではなく、さらに内容が詳しくなったディスカバリーチャンネルで同じ人物に関する放送を見た。
http://www.youtube.com/watch?v=sT0B4V_kowo