日本人の英作文2014-1-15

「スノードーム」の最終。課題文と作文例はつぎのとおり。

課題文: なにも起こらない。夜中じゃないとだめなんだとぼくは言って、おばあちゃんと夜通し見たけれど、夕べのようなことは起こらなかった。
「ねえ、ほんとなんだよ」
おばあちゃんはにっこり笑っていった。「クリスマスのふしぎね」
作文例1: Nothing happened. "I think they would appear in night," I said to my grandma. She and I kept watch the snowdome all night. But, unlike last night, nothing happened.
"Grandma, it really happened last night."
She smiled and said, "I know. It's a miracle at Christmas, my boy."
作文例2: Nothing happened. I said, "Santa Clause will come out only at night."
We watched it all night after all things like last night didn't occur.
"Believe me," I said to her.
She said with a beaming smile, "It's wonder of Christmas."

課題文では、「なにも起こらない」と現在形での表現になっているが、これは、日本語では、過去のことを書く場合、「〜した」という表現が連続することを嫌って、時折このような現在形をはさむことが多い。
これは日本語の表現上のことなので、英語にする場合、そのまま現在形で書くとおかしなことになる。
作文例が二つとも、ここを過去形で表現したのは正しい。ただ、作文例1で、"they would appear in night"となっているが、"they"は何を指しているのか不明。"would"も仮定法なのかどうなのか。
また、作文例2で、この部分を"Santa Clause will come out only at night"している。
サンタクロースが現れるのが、今夜限りのことなら未来形が良いが、夜になるといつも現れるのだということなら、現在形を使う。ここは、後者のほうが良いと思う。
作文例2の"after all things..."の部分は、文の構造をなしていない。
"things like last night"で、「ゆうべのようなこと」を表したつもりなのだろうが、last nightはthingの一種ではないから、このような表現は成り立たない。
この部分を日本語に忠実に訳せば、"the same thing that happened the previous night"となる。
日本語の「ような」の部分を文字通りに訳す必要はない。この「ような」は「同じこと」の言いかえと考えればよい。
この部分の一番重要なことはサンタクロースが家から出てきたことだから、サンタクロースを主語として表現したほうが、英語としてずっと自然なので、作文例ではそのように訳してみた。
"after all"について、作文例2の作者に尋ねたところ、この表現を使ってみたかったということだった。
何でも試しにやってみることは大事なことだ。
"after all"は、使い方として、分頭に使う場合と、文末に使う場合があり、両者の意味は根本的に違う。
また、混同しやすい表現に"after all things"のように、afterが単独の前置詞で使われる場合があり、このときは、"after all"として使われているのでないので、注意が必要。
課題文の場合だと、第一文目の最後に"after all"が使える。
作文例
But nothing happened after all.
"He comes out only at night," said I. So, she and I kept watching it all night, but unlike the previous night, he still wouldn't come out.
"Believe me," I said to her.
"It was a Christmas miracle," she said with a beaming smile.