ある英語の選択問題#6

(6)の文の書き換えに関しては、議論を後回しにして、次はいよいよ、独立分詞構文の検索に取り掛かってみる。
複数の文法書を参考にして、次の4つの独立分詞構文を検索してみた。
(9) There being no objection, the proposal was accepted unanimously.
(10) Weather permitting, I'll start tomorrow.
(11) It being Sunday, we had no school.
(12) His mother becoming very ill, he had to leave school.
まずは(9)の文。"There being no"を検索語にして検索する。noの次に来る語は様々考えられるので、この方がヒット数が増えると考えられるからだ。
通常の分詞構文の検索の場合と同じく、米グーグルのBooksのジャンルで検索。
すると、ヒット3件目で早くもそれらしい使用例が見つかった。これは意外にも使用頻度が高いのかと思いきや。
There being no objection leave was granted. Mr. GROSS — I ask leave of absence for next week, on account of ill health. There being no objection, leave was granted.
ヒットしたサイトを開けてみると、どうやら通常の文で使われたものではなく、休暇願いに対して、許可を与えるときの定型句のようだ。
最初にヒットしたサイトの使用例は、文法書のような文頭に出てくるものではなかったが、一応このサイトも開いてみると。
The position of this star has been derived from Lacaille by precession alone,
there being no modern observation.
上記と同じような文が次々と出てくる。この文は天文に関する書類の一部で、星の位置に関する一覧の中に出てくる。つまり、こうした特殊な箇所で使われる定型句と思われる。
以下いくつかのヒットを見てみたが、内容は大同小異。つまりは書類上の決まり文句として使われるようだ。
続いて(10)の検索。これは"Weather permitting"で検索。
ヒットしたサイトの最初のほうに出てくるのは、通常の文ではないものばかり。
参考になりそうな最初の使用例は次のようなもの。
Mrs. Stewart is eccentric because she comes from England and she often says "weather permitting", which always makes everyone giggle. The cake sale will take place, "weather permitting", she says. The craft show is worth a visit, "weather permitting". In Durban the weather is always permitting, so the girls see no reason on this earth for her to say it.
小説の一部に出てきた"weather permitting"。この記述で、このフレーズが文頭ではなく、文末に付加的に定型句として、たいした意味もなく使われることが推測される。
続いて次の使用例。
Reservation, fees: Reservations are not accepted. Sites are $21 per night. Open late April through October, weather permitting.
これは旅行ガイドの一部。キャンプサイトの案内のようだ。つまりこれも定型句。
次は小説の一部。
Weather permitting, the La Reina will then sail to the port of Coruna, at the north-west tip of the Iberian peninsula, where she will pick up pilgrims returning to England who have visited the shrine of St. James in Compostela. Weather and wind permitting, this journey to Coruna will take one full month.
ラ・リーナという船による、これからの航海予定を述べた一節。
しかし検索を進めても、通常の文章中での使用例は見つからず、野外でのイベントの通知文、旅行案内などで、文末に付加的に使うのが普通のようだ。
ちなみに、上記にあげた小説だが、著者は英国人作家で、年齢は、現在70歳。このぐらいの年齢の英国人なら、通常の文章中にこのフレーズを用いるということもあるのかもしれない。
最初にあげた例でも、このフレーズを使っているのは英国出身の女性。若いアメリカ人にとってはなんともこっけいなフレーズで、使う意味がないと揶揄されている。
揶揄された英国人女性も、たいした意味もなく、単に定型的表現で文末に付け加えているだけのようだ。