猫まとめて4匹+4匹…その4

  • 保護した猫のうちの二匹

猫3匹でも世話は結構大変だ。それに加えてさらに4匹を連れて帰って世話ができるのか。そんな思いが頭をかすめたが、昼間の4匹は保護して、目の前の4匹は保護しないでそのままにしておくのでは、不公平というものだろう。

4匹をまとめて入れられるカゴを取りにいったん家に戻った。このカゴは以前にブンタを運ぶ時のために自作した蓋付きのカゴだ。

発見場所に戻って、先頭の黒猫に近づいた。手を伸ばして抱き上げようとすると、シューというような威嚇の声をあげて、こちらを牽制した。

無理に体に触ると、爪で引っかくか、噛み付くかしそうなので、前から二番目の子猫に手を伸ばした。昼間の猫と同じく、簡単に抱き上げることができた。

同じように、前から3番目の子猫を抱き上げカゴに入れた。一番後ろの子猫に近づくと、いきなり逃げ出し、夜の闇に消えた。

先頭の黒猫は相変わらず、同じ場所にとどまっていたが、収容は難しそうなので、そのままにしておくことにした。

とりあえず、保護した2匹の子猫を家に連れ帰った。よるの9時を過ぎていたと思う。
それから一時間ほど経っただろうか。やはり収容せずにそのままにしてきた黒猫と闇に消えた子猫のことがどうしても頭から離れない。

天気予報は夜半から雨となっていた。そのままにすれば、家のなかで飼われていたに違いない猫にとっては、辛いことになるだろう。

現場に戻ってみた。黒猫はさっきの同じところにそのままいた。そして、闇に消えた子猫も元の場所に戻っていた。

さらに、ポンプ小屋の下のほうに招かざる客がいた。いつも私が行動を観察している野犬グループのオスと、メスのうちの一匹が、猫たちの間近に迫っていたのだ。

いつもなら、その場所から2kmほど下流のあたりが彼らが頻繁に出没する場所で、上流のこの場所にはめったに姿を見せない。

犬たちがどうやって、そこに猫がいることを知ったのかは分からなかったが、彼らの目的はわかっていた。猫を襲ってこれを殺そうというのだ。野犬にとって猫は自分たちの狩猟本能を発揮させる格好の標的なのだ。

実際、この野犬グループが野良猫を襲って殺すシーンに一度ならず出くわしている。
二匹の猫を収容しなければ、100%間違いなく殺されてしまう。