アナフィラキシーショック #2

ハチ毒に対するアレルギー反応は刺されるたびに程度が重くなるらしい。ということはもう一度刺されるとアナフィラキシーショックで命を落とすかもしれない。
恐怖の体験以降、ハチは恐るべき敵になった。
幸い、それから長い間、用心をしていたこともあってハチに刺されることはなかった。
去年の秋ごろのこと、いつもスーパーの買い物ついでに立ち寄るドラックストアで、ワゴンに入った見切り商品を見ていたところ、あるものに気が付いた。
英語で"insect poison remover"とある。訳せば「虫毒吸い取り器」。
針のない注射器といった外観の商品で、虫に刺されたときに、刺されたところにこれをあてがい、シリンダーを引いて陰圧をかけて毒を吸い出すといった単純なもの。
こんなものでうまく毒が吸い出せるかとも思ったが、このときいつもの勘が働いた。
ひょっとすると、この単純な構造のものが私の命を救うことになるかもと思ったのだ。つまり、近々、ハチに刺されるのではないかという予感がした。
ある種の勘が働くとき、私の勘は実によく当たる。だから、予感や、霊感のようなものが働いた時、それがいかに非科学的だと思えることでも私はこの勘に従うことにしている。
ワゴンあったこの商品を買うことにした。値段は大したものではない。
もともと、単純な構造のプラスチック製の製品。それが見切り処分だから1000円もしなかった。
画像はその商品。