Relativity in ways of thiking2

「私の時計は1日に3秒進む」は英語で"My watch gains three seconds a day."となる。時計の針が本来あるべき場所より3秒分、前に進んでいることを英語の感覚では、利得だと思う発想がgainを使う理由なのか、正直、感覚的に納得できない。
日本語で「時間を稼ぐ」というと、あることで、通常より時間がかかるようにして、その延びた時間で、他の作業の遂行を図ることだから、英語の発想とは真逆だ。
gainという単語使うのは、発想の違いということで無理やり納得するとして、それと同じ発想で、"every year we gain one-fourth of a day and every four years we gain one full day."というのはどうなのか。
時計の進み具合を表す表現とまったく同じなので、一年で一日の四分の一、つまり6時間、時間が進んでしまうように取れる。
実際は、そうではなく、一年という時間を決めるのは、地球の公転周期であり、一方、一日の長さを決定するのは、地球の自転周期という、まったく別の運動だ。
この2つの運動は連動はしていない。
便宜上、24時間が経過すると、同時に日付を一日進めているが、正確には24時間と10分ほどで地球は公転軌道上の365分1の距離を移動する。
天体の運行を詳しく説明するのは、この項の目的ではないので、このあたりにするが、上記の英語だけで、地球の二つの異なった運動が元になっている一年の時間的なずれを理解できるのだろうか。
そして、次の文"If we did nothing about this, our calender would move backward one full day every four years relative to our seasons."にいたっては、何のことだか、理解に苦しむ。
この文の表面的な意味理解は特に難しくはない。問題は、"move backward"の部分だ。
閏年を4年に一度、設けないとどうなるか。
ある年が、閏年に当たっているとして、2月29日がなかった場合を考えると、3月1日が一日早く来てしまう。
そうした閏年を設けない暦(calender)は、本当の季節の移り変わりに対して(relative to our seasons)、後戻り(move backward)すると言っている。
後戻りするとはどういうことなのか。3月1日が早く来てしまうなら、むしろそれは前進(move forward)ではないのか。