一見栄、 二男、 三金#1

表題の言葉は落語「いもりの黒焼き」に出てくる。もてる男の条件として挙げられているもので、都合、十まである。
それぞれには、次のような漢字が当てられている。一見栄(いちみえ)二男(におとこ)三金(さんかね)四芸(しげい)五声(ごせい)六おぼこ(ろくおぼこ)七ゼリフ(ななぜりふ)八力(やちから)九肝(きゅうきも)十評判(とひょうばん)
最初の「見栄」というのは、見栄えのよさのこと。つまり、スタイルの良さだとか、ファッションセンスの良さだとかが当てはまる。
二番目はいうまでもなく、顔のよさ。三番目も明白。「芸」は芸達者ということだが、今風に言うと、高学歴というのも、これに入るかもしれない。高学歴は「三金」にも通じるもので、かなり強力なもて要素だろう。
五番目の「ごせい」には「五精」という漢字を当てるのが一般的だが、ネットで調べてみると「五性」とか、「五声」などもある。
「精」の意味は「精力的に働くこと」、つまり働き者であることがもてる条件だということで、これはこれで納得がいく。
このブログでは「声」としたのには理由がある。
もうかなり以前のNHKの番組で、「女性にとって魅力的な男の条件」というのをやっていた。お堅いNHKの番組とも思えないタイトルで、興味をもって見てみたことを覚えている。
その条件というのを、不特定多数の女性からアンケートをとったそうだ。
そのときの条件のランキングの三番目あたりに「声のよさ」が入っていたのが驚きであった。
同じようなアンケートを男性にも行った場合の条件では、「声のよさ」は、トップ10にも入っていなかった。
番組でも、その点に注目し、声のよさがなぜ魅力ある男性の条件、それもかなり上位に来るのかといったことを、番組司会の女性アナウンサーが番組パネリストと語っていた。
また、おもしろいと思うのは、落語の場合の、三番目に来る「金」が、NHKのアンケートではトップ10にも入っていなかったことだ。
まあ、それはともかく、声のよさが魅力ある男性の重要な要素であることに首肯する女性は少なくないと思う。
そういった意味からも、「五精」ではなく、「五声」としたわけだ。
なお、次のサイトには、落語「いもりの黒焼き」の最初の部分が書かれているので参考までに。
http://www.eonet.ne.jp/~msnb1495/kuroyaki.html