一見栄、二男、三金#2

表題の言葉は落語の中で使われるが、もてる男の条件としては今も十分通用するものだと思う。
先日、ケーブルテレビの番組「怪しい伝説」で、このもてる条件に関する伝説を取り上げていた。
この番組では、世間でよく言われる風説、世評などを取り上げ、科学的検証を行うというもの。実験の規模や厳密さは科学的検証というには程遠いが、科学バラエティーとしてみれば十分に楽しめる内容となっている。
番組に登場するグループは二つあって、ひとつのグループは若者チーム。男性二人と女性一人。もう一グループは中年男性二人のチーム。
さて、それぞれのチームが検証しようとした伝説とは、
1. 男は女の前では、まともな判断が出来ないアホになる
2. 男は金髪女性が好き
3. 胸が大きいウェートレスのほうがチップが多い
4. 金のある男性ほど女性にもてる
1.と2.は、中年男性チームが担当。3.と4.は若者チームの担当。
1.の伝説の検証に用いた実験は、色のついた数字の書いてあるカードを被験者に渡し、そのカードの数字ではなく、色の名前を言ってもらい、全部のカードの色を正しく言えるまでの時間を測定するというもの。
実験では、同じ実験を同じ被験者に二度してもらう。最初の実験では実験内容を同性の実験測定者が測定し、二度目は異性の説明者が測定を行った。
男女それぞれ五人の被験者の実験結果はなかなか興味深かった。
女性の場合、測定者が同性であろうと異性であろうと、実験結果には5人ともほとんど差が出なかった。
5人の女性の測定タイムもあまり差がなく、中年男性チームの男たちの測定値並み。あまり早く無い。
さて、今度は男性の被験者。二つの実験結果に差が出たかというと、そのとおり。
女性、それもかなり美人がそばにいると平常心ではいられず、判断が遅くなる?
結果はその逆。被験者一人を除いて、スピードが上がったのだ。
とりわけ、最初の実験でも抜群のスピードだった男性被験者の成績が50パーセントも向上した。
女性のスピードの3倍以上。恐るべきパフォーマンスを見せた。
この男性、女性の測定者の場合も、見かけは男性測定者の場合と全く同じ。クールな態度で表情一つ変えなかった。
しかし、測定が始まるや、女性測定者の前では、彼の持つ能力がほぼ全開状態になったようだ。実験中の彼は目は、きわめて高い集中を示していた。
どうやら、伝説とは逆に、男性はそばに女性(ただし魅力的な)がいると、ものすごくがんぱっちゃう生き物のようだ。
まあ、これは男性諸氏の多くが身に覚えのあることだろう。
多くの生物種では、メスがオスを配偶相手として選択する。いわゆる性選択はメスが行い、オスは単に選ばれるだけ、選択権は無い。
こういった種では、メスの配偶者選択は、その種に特有の条件で行われる。その条件が表題の言葉がほとんどそのまま同じなのが鳥類ではないかと思う。
そう思う理由は次回で。