一見栄、二男、三金#7

ケーブルテレビの番組、「怪しい伝説」の最後の検証内容、「金のある男ほど女にもてる」に関して。
この伝説に関しての検証方法は、大学の階段教室のようなところに20人ほどの独身女性を集めて、教室の正面スクリーンに映し出される10名ほどの男性を評価してもらうというもの。
それぞれの男性に関しては年齢や学歴、職業、趣味などといったデータが女性たちに配布されてある。
事前に、女性たちに男性のどの条件に関して注目するかと尋ねたところ、「やっぱり顔ね」というような反応が何人かの女性の意見として出ていた。
「収入や資産状況はどう」と番組スタッフが話を振っても「そういうことは問題外ね」という反応が多かった。
男性を評価する女性たちは2グループあり、評価対象になる男性は同じ。
しかし、提供される男性たちの情報には若干の差が設けてあった。それは職業の項目。
そして、結果はというと、ある一人の男性対する最初の女性グループの評価があまり高くなかったのに、二番目のグループでは評価がかなり上がるという点が注目された。
この男性、なかなかのいわゆるイケ面で、それだけで評価が高くなると思われたがそれほどでもなかった。
しかし、二つ目のグループではいきなりトップに近い評価に。
一体なぜ。それは、最初のグループには、この男性の職業をいわゆるフリーターとしていたものを、二番目のグループには、心臓外科医としたことが原因だと思われる。
職業というのは、収入に直結しているし、頭脳レベルとも関連がある。収入はもちろん金に関することだし、頭脳レベルというのは、ひとつの能力で、これは芸のうちにはいるかもしれない。
そうなのだ。一見栄、二男といいながら、人間の女性にはそれだけではやはり魅力に欠けるということらしい。オスに対する高い要求水準は何だかゴクラクチョウのメスの基準に似ている。
一時、「3高」なる言葉が流行ったが、あのときの基準のひとつが「高収入」だったから、やはり「金」は女性の男性選びの基準としてははずせない条件の一つなのだろう。
つまり伝説はやはり本当だったという結論になった。
ということは、落語「イモリの黒焼き」にある「一見栄…」という条件は今日でも十分正しいし、さらに言えば、最初の3つを全部満足しないと、どうやら本当にはもてるということもなさそうだということなのだろう。
せめて十ある条件の一つぐらいはと、落語の主人公はがんばるのだけれど、それもかなわず、ただもう情けないところを見せるばかり。ということでお後がよろしいようで。