ワカケのツキちゃんは自咬症の治療のため、月一で通院することになった。
病院に連れて行くときには、同じケージに同居しているキボウシインコのマイちゃんと、分けなくてはいけない。
どうするかというと、①マイちゃんを先に別のケージに移す。②ツキちゃんをさらに別の小さいケージに移す。
こうしておいて、小さいケージに移したツキちゃんを病院に連れて行く。
この作業がかなり面倒。最初にツキちゃんを病院に連れて行くときは、私にも①の作業が簡単にできた。
しかし、二回目にツキちゃんを病院に連れて行こうとしたときには、マイちゃんが別のケージに移動してくれない。
別のケージに移動したらツキちゃんが連れて行かれることを早くも学習したらしく、頑としてもとのケージから移動しようとしない。
最初にマイちゃんを入れたケージを移動させようとしたときのこと、ツキちゃんが激しい鳴き声を出した。
それに呼応するかのようにマイちゃんも激しい声を挙げる。
まるで、もうこれきり会えないかのような二羽の悲痛な叫び声に、私は自分が山椒大夫になったような気分がした(たとえが恐ろしく古典的)。
元々、私を敵視していたマイちゃんだが、ツキちゃんを病院に連れて行くことで、さらに私を敵視するようになり、①の作業は私にはできなくなってしまった。
それでどうしたかというと、病院に行く日の前々日に、ペットシッターさんにツキちゃんとマイちゃんを別々のケージに入れてもらうようにした。
マイちゃんはペットシッターのTさんにはよく懐いていて、割合素直にケージを移動するようだった。
ツキちゃんの病院通いは、時間がかかることだし、その前に面倒な作業があるわけで、厄介この上なかったのに、ツキちゃんの症状が治まる前に別のインコに問題が生じた。
泣きっ面に蜂の上に蜂から逃げるときに転んで怪我をしたようなもの。