ワンコ屋敷3

川の中州で暮らす5匹の子犬の姿はその後、ヨシの散歩に行くたび、たびたび見かけるようになった。
川沿いの遊歩道を人が通ると、5匹のうちの何匹かが、草むらから顔を出しこちらを伺っている。
多分、遊歩道を散歩する人の中に、子犬にえさを与える人がいるのだろう。人間を警戒しつつも、えさがもらえるかもしれない期待をこめた表情をこちらに向けていた。
それから何日かしての散歩の途中、子犬のうちの一匹が草むらから顔を出したとき、うちから持ってきたドッグフードを試しに置いてみた。
案の定、私が少し離れたら、ドッグフードを置いたところに5匹が殺到して、食べ始めた。

  • えさを食べる子犬たち(2008年2月9日撮影)


子犬たちは、えさを食べ終わると、それぞれ、草むらに姿を隠した。
小さいうちは、野犬といえどもかわいいが、大きくなっていくと問題が生じることは明らかだった。
どうにかしないといけないのではないかと思ったが、いい考えもなく、その場を立ち去った。