ピーちゃんの受難2

今日の朝、目が覚めたとき、一番にピーちゃんの様子を見に行った。
ピーちゃんは鳥カゴの中で冷たくなっていた。せっかく助けたと思った命があっという間に、手の届かないところにいってしまった。
ちょっとした油断が重大な結果を招いてしまったという思いで、体が小刻みに震え、体の中心から力が抜けていく。
一体なんでこんなことになったのか。少し冷静になって考えてみた。
ピーちゃんが怪我をしたのは、25日夜の11時以降、26日の午前6時までの間だと思われる。コロクは、夜は、私と同じ部屋で寝ているから、夜中に起きて、ピーちゃんを襲うとは思えない。
傷の場所もコロクが鳥かごの格子越しでは噛み付けないような箇所だ。
傷をしているピーちゃんを見たとき、反射的にコロクのせいだと思ったが違うのかもしれない。

  • ピーちゃん、ちゃんと守ってやれなくてごめん


それではいったい、何がピーちゃんの身におきたのか。
最近時々、母屋の二階の天井裏を、ネズミが走り回ることがある。
長い間、猫を飼っていたので、ネズミが母屋の中に入ってくるのは久しぶりのことだ。
猫が二匹とも死んでしまったと思ったら、待ってましたとばかり、ネズミが侵入してきて少々驚いていた。
ひょっとすると、このネズミがピーちゃんに怪我を負わせた犯人かもしれない。
鳥かごの近くには、ピーちゃんのえさが置いてある。その臭いに惹かれて、ネズミが近寄ってくることは十分にありうることだ。
実は、26日の朝、庭に一匹のネズミの死体があった。放し飼いの犬たちに襲われたのだろう。原形をとどめないぐらいに体がぼろぼろになっていた。
そのネズミがピーちゃんを襲ったかどうかは分からない。
しかし、もしそうなら、ピーちゃんの仇を犬たちが討ってくれたことになる。
ピーちゃんは、明日火葬することにした。
ほんの短い間の付き合いだったが、あの時こうしていれば、もっと長生きしたのにという後悔がこの後もしばらくは、私を苦しめることだろう。