京都野外彫刻展

昨日、タイトルにある野外彫刻展を見に、京都府立植物園に出かけた。
視覚障害者の活動を支援するボランティアグループが行ったイベントに参加するというのが目的だった。

  • 展示彫刻の一つ


今回のように、野外の展示物の場合、展示品に直接触れることが出来るので、目に障害があっても、かなりなところまで、その作品を具体的にイメージ出来る。
作品に対する視覚障害者の、健常者とは別の感じ方は、目が見えるためにかえって見えにくくなっている点を気づかせてくれる場合が多い。
この日の鑑賞パートナーは、健常者のHさんと視覚障害者のY君。
Y君は、一つの作品にとことんまで、深い理解を求めようとするため、一つの作品の鑑賞に費やす時間が長くなる。
私たち3人がある作品の前で作品について語り合っていると、大学生ぐらいの若い人たち10人ぐらいのグループがやってきた。
そして、その作品に対する感想を声に出して話していた。Y君は、その人たちの話し声に熱心に聞き入っていた。
普段は、美術館での鑑賞が多い。美術館は静かに鑑賞のみを行うところというのが、一般的なルールなので、今回のように、他の人の作品に対する正直な感想というのは、なかなか聞けないのが普通だ。
Y君には、そこのところが不満であったらしく、今回はそれが聞ける良いチャンスだったようだ。
Y君いわく、芸術作品を前に、お互いに感想を言い合うことが禁止されているのがおかしい。一種の興奮がそこにあるわけだから、通常の美術展でも、それを自由に口にすることが許されるべきだ。
なるほど、この日もまた、健常者の私のほうが一つのことに目を開かされた。