何処へ

今日、いつも散歩コースである河川敷にヨシを連れて行った。
川の下流に向かって、散歩のUターン地点に近づいていくと、土手の反対側から、なにやら工事現場のような音が聞こえてきた。
河川敷道路から、土手に上がる坂が近くにあるので、その坂を上がって、物音のする方向に向かった。
音のする方向で何が行われているかは、おおよそ想像がついていた。
その近くには、ホームレスが、建てた小屋があり、その小屋をブルドーザーか何かで解体しているのではと思った。

  • 公園入り口方向を望む(2010年11月2日撮影)


果たして現場では、想像通りの光景が展開していた。
小屋は一つではなく、居住用と思われる大き目の小屋が一つ。それより少し小さい小屋が一つ。それからハト小屋一つの合計3つの小屋があった。
現場に到着すると、一番大きい小屋がすでに解体されていた。
数日前に、ここにやってきたとき、立ち入り禁止の黄色のテープが張り巡らされていて、小屋の住人はいなくなっていた。

  • 解体された小屋の残骸


そのときから、近々小屋が撤去されるのだろうとは思っていた。
この小屋は、公園の入り口近くの木陰に建てられていた。建てられたのは、この公園が出来て程なくだから、優に30年以上前のことだ。
小屋が出来た当初は、目障りな存在であったが、30年を超えて存在し続けると、もうその存在が当たり前のようになり、目の前で、それが壊されていくのを見ていると、一抹の寂しさを覚えてしまった。
小屋の住人は、一匹の犬を飼っていた。その犬は、毛の色や体形などからサブたちの兄弟であると思われた。
小屋の住人ととも犬も姿を消した。その犬が、今も小屋の住人とどこかで、無事に暮らしていることを願う。