見えざる闇2

日本のマスメディアには、決して触れてはいけないタブーがたくさんある。タブーの対象は団体、組織、グループなどであるが、それぞれを象徴するものを冠して「〜タブー」と呼ばれている。
マスコミ、放送関係者であれば知っているはずだが、一般の人たちはどうであろう。
そんなものがあるとは露知らずなどということが多いのではないだろうか。
「報道におけるタブー」と入力しネット検索すれば、Wikipediaの該当ページがヒットするから参考にすればよい。
そのページを見ると、日本では報道対象から除外されているタブーが実に多いことが分かる。
これらのタブーは報道に関するものということになっているが、その多くが警察の捜査対象に関するものとオーバーラップしているようなのだ。
タブーに関わりありそうな場合、そのタブーと犯罪とのかかわりが明白且つ、それを証拠立てるものが現に存在する場合を除き、積極的には、捜査の対象とはしないというような方針があるように思える。
犯罪捜査は遍く広く、身分の別なく公平に行われるなどと思っていると、とんだお門違いなのだ。
報道、犯罪捜査の対象からはずされているため、一般の人間からはまったく見えなくなってしまっているこれらタブーは、いってみれば、社会におけるブラックホールだ。
天体のブラックホールは、これを直接観測する方法はない。回りのあらゆるものを吸い寄せるため大きな質量を有している。巨大な質量は巨大な重力を生み、その重力のせいで、近辺を通る光が湾曲してしまう。
ブラックホールの存在は、その湾曲した光を観測することで、間接的に存在が推定されているのだ。
報道では、一切その存在に言及することはないが、社会のさまざまな事件・事象に関する報道を注意して読んだり見たりしていると、その報道の仕方にある種のゆがみを感じることがある。
それはまさしく、その事件・事象の近辺に社会のブラックホールが存在することの証拠なのだが、その歪みは実に小さなものなので、予備知識なり、よほどの注意力がない限り、歪みにはまったく気づくことが出来ない。