新たな子犬

川が増水した時は、いつでも堤防の道をずっと下流のほうまで自転車で走って、中州で暮らす野犬が、子犬とともに避難していないか見に行く。
今日の未明。このあたりでも、かなりの雨が降ったようだが、それほど長時間降り続いたわけでもなさそうだったので、堤防に様子を見に行ったのは、午前10時を過ぎてからだった。雨はこのとき、完全に上がっていた。
堤防の道まで、上がってみて、雨が降り続いた時間の割には、川の水位が相当高くなっているのに気がついた。中州は完全に水没していた。
川の上流の地域で、かなりの雨量の雨が降ったようで、このあたりの雨量からは想像できないほど、川の水かさが増えていた。
川の中州で暮らす、野犬グループのメスの一匹が、どうやら子育て中だと気がついたのが一週間ほど前。
7月下旬にグループとともに行動しなくなって、姿が見えなくなっていたので、どこかで出産したのではと思っていた。
それが、先週あたりから、中州の特定の場所に姿を見せるようになったので、その近くで子育中だと当たりを付けていた。
中州のその場所から、母犬が避難する思われる場所まで自転車を急がせた。
目指す場所が近づいてきた。すると、堤防脇に丈高く伸びた草むらから、野犬グループのメスの一匹が吠えながら飛び出してきた。
そして、吠え続ける犬の傍らの草むらに一匹の子犬がいた。
去年の9月4日に4匹の子犬を保護したが、その時と同じ母犬とその子犬だ。
今回は一匹だけ。生んだのは一匹ではなく、もっと多かったはずだが、急激な増水のために助けられなかったか、連日の猛暑のため、一匹を残して他の子犬は死んでしまったかのどちらだろう。
真夏の中州は、草が2m以上にも伸びて、中州で子育て中だろうと思っても、とても踏み込んで子犬を捜索ができる場所ではなくなる。
雨で川が増水して、母犬が産んだ子犬とともに堤防に避難してくる時以外、助けようがないのだ。今回保護できたのは一匹だけだったが、一匹でも保護できたのは幸運だった。
画像が今回保護した子犬。歯の状態から見て、生後3週間ほど。ちょうど離乳期に差し掛かる頃だ。