新たな子犬たち6

昨日の午後7時ごろから降り出した雨は、今日の明け方近くまで降り続いたようだ。
川の中州には、まだ三匹の子犬が暮らしているので、川が増水しているのではないかと心配になり、朝の6時に起きて川の様子を見に行くことにした。
ことによると先週の水曜日のように、中州の草むらから堤防の上に避難している子犬がいるかもしれない。
まだ太陽が昇る前の暗い中を例の場所へとの自転車を走らせた。
現場近くまで達すると、暗い中、前方に犬の影が堤防の上を横切るのが見えた。
子犬たちの母親だ。そしてその後に続く小さい影が三つ。子犬たちだった。
やはり、雨が降って川が増水すると、母犬は子犬たちを連れて高い場所に避難させるのだ。
ちょうどその現場にやってきたことになる。母犬は私の姿を見るや、中洲とは反対の道路に出る側の堤防の斜面を駆け下りた。
子犬たちは母親の後を追おうとするが、道路に降りる堤防の斜面は、かなり急で、子犬には降りることが出来ない。
母犬の後を追うのをあきらめて、もといた中州に逃げようとするところを、自転車から飛び降り、一気に走りよって、斜面の手前で躊躇している一匹を確保。自転車の前カゴに収容した。
一匹は、堤防の斜面を一気に駆け下りて、中州の草むらに逃げ込んだ。
もう一匹が斜面を一気に降りられず、もたもたしているので、これも捕まえようとしたが、その子犬は斜面を降りるのをあきらめ、堤防上に出て逃走した。
後を追いかけたが、その逃げ足の速いこと。もうすでに人間の足では追いつかないぐらいの脚力がある。
これで、七匹の子犬のうち、五匹を保護したが、残りの二匹の捕獲は大変困難と思われる。どちらも逃げ足がとても速く、これを追いかけて捕まえるというのは出来ないからだ。