多肉植物・サボテン栽培の難しさ6

日本とはまったく違う気候に育つ多肉植物やサボテンを育てることの難しさは、温度変化という要素以外に、日照時間の違いということもあるに違いない。
リトープスの場合を例にとると、リトープス属露美玉の自生地の一つのKimberleyの一日あたりの日照時間は、ある気象データベースによると、9時間34分となっている。これを年間ベースに直すと、およそ3490時間。
私が住んでいる地域の年間日照時間は気象庁のHPによれば、約1920時間。年間で実に1570時間もの差がある。これを率に直すと55%。
自生地でのリトープスが日照時間全てで、日の当たる状態にあるかどうかは分からないが、自生地で、一日の半分が日の当たる状態であったとしても、日本では一日中日の当たるところに置かないと、自生地での日照時間に近くならない。
さらに、Kimberleyの緯度は、南緯28°44′で、北緯34°46′の私の住む場所とは太陽の上昇高度が違うし、さらに、Kimberleyは標高1230mであり、地上に届く、単位面積あたりの光線量にかなりの違いがあるはずだ。
このように太陽から受ける、光線量の絶対量が著しく違うため、日本で栽培されるリトープス徒長しやすいのだと考えられる。
誰が呼んだか、徒長したリトープスのことをトチョープスというらしい。画像は家にもあるトチョープス。
最初の画像は夏に断水、休眠という従来型の栽培を続けている株で、ものの見事なトチョープス。
二枚目は、最近、ヤフオクで落札したリトープス。画像で見えているのは、上半分だけで、下半分が鉢土の下。恐ろしいほど徒長した、超トチョープス。
うまく根付くかどうか、かなり怪しい。
唯でさえ、日照時間が自生地に比べて少ないのに、夏の間に半日陰に置くと、さらにリトープスが受ける光線量が減少してしまう。
トチョープスは自生地で育っているリトープスとは似ても似つかない姿だと思う。