日本人の英作文2014-1-7

今回の課題文と、英作例は次のとおり。

課題文: でも、プレゼントでは、いつもぼくをがっかりさせた。前の年のクリスマスに、ぼくはカードゲームがほしかった。でもおばあちゃんがくれたのは、算数のゲームだった。
作文例1: But about the presents, I was always disappointed. Christmas day in the previous year, I wanted a card game. By the contraries, what she gave me was an arithmetical game.
作文例2: Only one thing that always disappointed me was my gifts from her. I once wanted a set of playing cards for the Christmas but she gave me an educational game designed to teach children arithmetic.

英作例1の"the presents"は、これまでに一度も言及のないものに定冠詞がついているので、読み手のほうとしては、どのプレゼントのことかよくわからない。
定冠詞の使い方に共通するのは、ある発言や記述の受け手が、すぐに定冠詞のついた名詞をひとつのもの、あるいは一まとまりのものに特定できるということだ。
読み手や聞き手に、特定の手がかりのないものに"the"をつけることはできない。
"the presents she gave me on Christmas days"のように"the presents"に、限定用法の関係詞節がついていれば、問題はない。
英作例2の"only one thing that..."は"the only thing that..."とするのが普通だと思う。しかし、そういってしまうと、ほかには何もがっかりしたことがなかったことになって不自然。"What made me sad was..."としたほうがいいだろう。
「その前の年」を英作例1では、"the previous year"としているが、これも、基準になる年がわからないので、定冠詞をつけても、読者としては特定のしようがない。
日本語でも、いきなり、「その前の年」といわれても、どの年の前の年のことかはっきりしないが、これは、その後に出てくるスノードームをプレゼントとしてもらった「その前の年」のことだ。
だから、定冠詞をつけた"the previous year"を使うとすれば、後ろから関係詞節で限定するしかない。
つまり、"the previous year of the year when I was given a snow dome"となるが、
日本語では、これから先になって出てくるスノードームをここで出すというのは、問題があるだろう。ということで、「その前の年」の「その前の」は無視するほうがよさそうだ。
作者は「その前の年」という表現を使うことで、次の年が物語の上で、重要な年であることを示唆していると考えられる。
英語でも初めて出現する単語に定冠詞を使って、物語上、重要であることを示す表現法があるが、この物語で重要なのは、スノードームだから、「前の年」にいきなり定冠詞は使えないと思う。
英作例1にある、"by the contrary" は"by contraries"の間違いだろう。しかし、この副詞はLongmanには、記述がなく、The Free Dictionaryには"Archaic"とあり、あまり使われなくなっているようだ。
また、使われている例をGoogleで検索してみると、英作例1のような、文修飾で使うのではないことがわかる。

作文例
But when it comes to presents, she always let me down. In a year, I wanted a card game for a Christmas present. What she gave me was an arithmetic game after all.