知性が大事#4

先日行われたJAZAの総会に先立つ3月に、JAZAのHPがサイバー攻撃を受けたことはある種の警告を含んでいる。
このサイバー攻撃が影響したのかどうかは分からないが、JAZAの総会で、WAZAへの残留か、そこからの脱会かを問う投票では、残留が投票の過半数を超えた。
しかし、イルカショーへのイルカの供給が止まるという背に腹は替えられない理由から、残留を決めたJAZAからの脱会をほのめかす団体、施設があるようだ。
脱会するとどうなるか。この判断を決めたとたん、その情報はサイバー攻撃を仕掛けた組織にすぐさま伝わることになるだろう。
JAZAへのサイバー攻撃で、この組織はJAZA会員のデータをすでに入手している。となると、JAZAからの脱会を決め、これまでどおりのイルカ供給システムを使おうとする団体・施設への個別のサイバー攻撃が始まるにちがいない。
情報の重要性について、日本人は意識が薄い。意識が薄いものだから、そのセキュリティへの危機感もきわめて薄い。そのため日本はサイバー攻撃の格好の的だ。
サイバー攻撃は全世界からのものとなるだろう。そのことへの覚悟はあるのだろうか。
日本人特有の楽観バイアスでそんなことは夢にも思っていないのだろう。
クジラ類を巡る問題そのものに対して、日本人のほとんどは問題を軽視しすぎているというのが私の考えだ。
反捕鯨団体の運動に関しても、それが政治問題にまで影響しかねないのではと思う。
WAZAの討議資料として「コーヴ」が使われたようだが、私が思うには、この映画のDVDは、全世界の政治リーダーたちにも送付されたのでないか。
DVDの送付を受けた人たち全員が、実際に映画を見ていないにしても、日本の捕鯨に関するうわさは彼ら全員の耳に入っているはずだ。
クジラ類に関して取り立てて、高い評価をしない国や民族の場合、日本に対してニュートラルな立場をとるだろうが、先進欧米諸国のリーダーたちは日本に対してどのような印象を持つだろうか。
捕鯨の急先鋒となっているアメリカ、イギリス、オーストラリアはすべて二次大戦の敵国である。
彼らの価値観に同調している限り、西側の一員として認められ続けるであろうが、そうではない場合、これらの国の国民の間に反日の火の手が燎原の炎にように一気に燃え広がる危険が常にある。
そうなった場合のわが国の国益の損失は計り知れないものになるだろう。
このブログでは、政治的な問題に関しては詳しく言及するつもりはないので、この話題はこの辺にしておく。
次回からは、話題を私個人のエピソードに切り替えることにする。