知性が大事47

クイズを出された私は、会社までの通勤時間を利用して、このクイズを解くことにした。
会社までの通勤電車に乗っている時間は、約40分。往復で一日当たり80分間。これをクイズを解く時間に当てた。
外見が全く同じの天使と悪魔を区別する方法は簡単だ。
真偽がはっきりしていることをどちらかに質問すればよい。たとえば、「富士山は日本で一番高い山ですか」とどちらかの門番に聞けばよい。
ここまで書いてきて、前回記事のクイズを訂正する必要があることに気がついた。
つまり、前回提示したクイズには「天使は天国の、悪魔は地獄の門の門番」としていたが,これだと,上記の方法で簡単に天国への入り口が分かってしまう。
そうではなくて、天使と悪魔はどちらがどちらの門番なのかは判らないとする必要がある。
この条件だと、天使と悪魔の区別をつけても、それで天国と地獄ののそれぞれの門がどちらかは相変わらず分からない。
このクイズは分からないことが二重だから難しいのだ。
二つ分からないことがあるのに、ひとつの質問でこれを突破する。さて、どうするか。
最初に考えたのは,上記のように真偽のはっきりしていることと,天国への門がどちらかということを何とかひとつの質問にまとめられないかということだ。
一日目、二日目と考えてみたが,これはどうやら行き止まり。捨てるしかない。
それで、次なる方法はというと、外見の区別のつかない天使と悪魔のどちらに質問をしても同じ答えになる方法はないかということ。
これだと天使と悪魔の区別をつける必要がない。
質問にいつも正しく答える天使と、いつもうそをつく悪魔。真偽のはっきりしている命題に対してはいつも逆の答えになる。それなのにどちらにも同じ返答をさせる方法などあるのか。
これはなかなかの難問だ。
五日目ぐらいだっただろうか。天使のほうはいつも正しい答えだから問題はないとして、悪魔のほうに正しい答えをさせる方法はないだろうかと考えた。
つまり、悪魔のうそはうそといっても、「はい」というべきところを「いいえ」といい、「いいえ」というべきところを「はい」と答える単純なものだ。
どうやらここに突破口があるときがついた。
敵の敵は味方」という言葉あるが,悪魔に対して自分の返答に対して反対の答えになるような質問をすればよい。「うそ」に対する「うそ」は「ほんとう」になるという原理だ。
原理は思いついたが,これを実際の質問にするとなると,どういう質問がこれに当たるのか。
これを思いつくのにさらに何日かが必要だった。