チャック、マムシにかまれる4

動物病院で点滴してもらい、3種類の薬を処方してもらった。
薬は3日分。それがなくなる金曜日にまた来てくださいということで、チャックを連れて家に帰った。
顔は相変わらず腫れあがっていたし、ちょっと元気もなさそうだったが、その日の夕方にいつも通りの時間にエサを与えるとやはりちゃんと食べたし、便もいつも通り。
次の日の火曜日の朝も、体調に激変はないようで、もう安心だろうという気がした。
再診の金曜日の朝には、もうすっかり元気になっていた。
画像は今日、日曜日のチャックの様子。


噛まれたのは、右目と鼻先の中間ぐらいのところ。
画像ではよくわからないが、噛まれたところの皮膚がはがれてしまっている。
やはり犬はマムシの毒にある程度の耐性があるのだろう。
血清も打たずに一週間でほぼ回復するというのは、それ以外に考えられない。
毒蛇で思い出すのは、オーストラリアで農場で滞在した時のこと。
庭にキャンピングカーを立ててもらい、そこでしばらく生活することに。
ある日のこと、その庭を一匹の蛇がニョロニョロと這っていくのが見えた。
なんだか派手な色をした蛇だったので、ひょっとして毒蛇ではないかと思い、ステイ先のお母さんが庭に出てきたので、蛇のことを聞いてみた。
「ねえ、さっき庭を一匹の蛇が這っていたんだけど、あれって毒蛇?」
「毒蛇。毒、蛇?蛇ってみんな毒持っているでしょう。毒のない蛇なんているの?」
「やっぱり毒蛇なのか。で、あんなのに噛まれた時はどうするの」
「寝室へ行って、しばらく寝るわね」
「寝室へ行くって、病院には行かないの?」
「病院ていったって、200km以上離れているのに、バタバタ慌てて動いたら、それこそ毒が早く回るからそんなことしない」
オーストラリアの奥地に住む農民たちは毒蛇にかまれたからといって、医者の治療など受けないのだ。毒蛇の種類が多すぎてどの毒蛇にかまれたのかわからないと血清の打ちようがないし、第一奥地から血清のある病院までの距離が遠すぎる。
毒蛇に噛まれて死ぬような奴はオーストラリアの奥地では暮らせない。
オーストラリアの農民はそうした自然淘汰を生き抜いた人たちの子孫なのだ。マムシにかまれて死ぬ日本人とは生物学的タフネスがまるで違う。
野生動物と同じレベルの毒蛇の毒に対する耐性を持っているのだろう。