マロ3

2010年の3月現在で、マロの体重は20kg弱。顔つきはシェパードに似て、体毛はドーベルマン風。後ろ足がとても長いのも、洋犬の特徴が強く出ている。
しかしこれらの犬種ほどの体重ではないから、ほかの中型犬の血も入っているようだ。
マロを見たときの反応は人によりずいぶん違う。恐ろしげな印象を持つ人が多いのだが、人によると、とてもかっこいいという人もいる。反応の落差が激しいのは、女の人だ。
頭はあまりよくない。力がとても強く、噛み付く力も半端ではない。成長してオスの本能が目覚めると凶暴性を発揮する恐れがあったので、早々と虚勢手術をしてもらった。
手術の効果かどうかははっきりしないが、凶暴性を発揮するどころか、性格はむしろ臆病な犬に成長した。
この犬には、一つ特徴的なところがある。それは、うちの庭から一歩も外に出ないことだ。

  • 子犬たちと遊ぶマロ(2010年1月11日撮影)


去年の春ごろ、うちに生活にもなじんだころ、散歩に連れて行こうとリードをつけたが、そこから一歩も動こうとしない。
力づくで門の外につれて出ると、ほとんどパニック状態となった。
成犬となってからも、一度だけだましだまし門の外に連れ出して、少し歩いたところで、よその犬のほえ声にすくんでしまいその場から逃げるように帰宅した。
それ以来、私がリードを手に持っているのを見るだけで、その場に座り込んでしまい、頑として動かないようになった。
小さいときの何らかの経験がトラウマになっているとしか思えない。
強面の顔つきとは裏腹に、目の奥におびえを抱えたマロがそこにいる。