温暖化の証

今年の春は、寒暖の差が激しく、日中に25度を越える日があったと思ったら、一転して、最低気温が10度を下回る日があるなど、体が気候の変化についていけない。
こうした寒暖の差の激しさも、いわゆる地球温暖化の一現象のようだ。


全体的な気温の上昇をいち早く知らせてくれるのが、自然界を生活の場所とする野生生物たちだ。
映像は、アゲハチョウの一種のナガサキアゲハ。その姿がこの辺りでも見られるようになったのは、もう10年以上前のことだったと思う。
数年前には、死んだナガサキアゲハを路上で発見した。しかし、元気に飛び回る姿を間近で見たのは今回が初めてだ。
名前が示すとおり、以前は、九州が生息域の北限であったものが、温暖化とともに、生息域を北及び東に広げ、現在は、関東にも進出しているものと思われる。
チョウは羽を持っているから、気候の変動があれば、真っ先に生存に適した場所に移動できる。
このチョウにとっての問題は、冬の最低気温だ。さなぎで越冬するナガサキアゲハにとって、冬の最低気温がある一定の温度以下にならないことが、生存の条件だ。
この地域ではその条件をもう十年以上前からクリアしていることになる。確実に進行していく温暖化は、いつも散歩する川辺の野草にも明らかな変化をもたらしている。