ミューとミケ2

生病老死とは、人間が生まれた以上は、避けることの出来ない四苦のことだが、これは動物にもいえることだ。
人間が世話をするペットの場合、飼い主がペットの生病老死と向き合わなければならない。

  • やせ衰えたミュー(2010年6月30日撮影)


今年の5月に18才となったミューは人間で言えば、もう80才を超えていると思う。
だいぶ前から、肝機能、腎機能も低下しており、ここ二、三日はろくにえさも食べていない。
げっそりと痩せた体からは、もはや力強い生気は感じられず、死期が近いことを物語っている。
現在は、母の寝室となっている部屋とそのほかのいくつかの部屋しか知らずにこれまで生きて、ほかの猫のとの接触は、二階が居場所のミケとたまに出くわすだけで、それ以外はまったくないまま終わりそうだ。
外にでることもなく、他の猫との接触がなかったから、18才まで、病気らしい病気もせずに生きてこれたともいえるのだが、こうした生き方で、ミューは幸せだったのだろうか。

  • 麻酔から醒めつつあるミケ(2010年6月30日撮影)


もう一匹の猫のミケのほうだが、今年の二月から鼻水が止まらず、調子が悪かった。
かかりつけの動物病院で処方された薬で、治療を続けたが一向によくならないので、今週の火曜日、別の病院で診てもらった。
鼻の周りに変形が見られるので、頭部のCTを撮りましょうということになり、水曜日にさらに別の病院でCT検査を行った。
結果は、想像以上の悪い結果であった。
鼻の奥に出来た悪性の腫瘍が、頭部全体に転移しており、ステージとしては、すでに末期だとのことであった。
死期を悟ってのことか、ミケはわたしが二階に上がると、体を摺り寄せてきて、離れようとしない。元気な頃は、夏の今頃、暑苦しいせいか、むやみに体を摺り寄せることはなかった。
どちらの猫とも、別れる時は間近い。これまで何匹ものワンコ、ニャンコを看取ってきたが、決して慣れる事のない、つらい時が迫っている。