ミューとミケ4

抗がん剤による治療を続けていたミケ。今日正午ごろ息を引き取った。
昼前からミケが横になっている二階の部屋は、30℃をはるかに超えてむせ返るような暑さだった。
それなのにミケの足は、血の気がうせて冷たく感じられた。もう最期は近いと思い、冷房の入った一階の居間に連れて降りた。

  • 自力での最後の水のみ(2010年7月17日撮影)


6月の終わり頃から、ほとんど何も食べていないミケの体は、もとの体重の半分ほどにやせ細っていた。
一階の居間のいすに腰をかけ、ミケをひざの上に置いた。軽くなでてやったが、骨ばってしまっている体をスムーズになでることが出来ない。
30分ほどそうしていただろうか、突然ミケが苦しそうに身悶え始めた。弱りきっている体のどこにそんな力が残っていたのだろうかと思うほどの身悶えようだった。
しかし、その身もだえは、30秒ほどの時間だったろうか、ばたりと身もだえが止むと、失禁した。それが最期だった。

  • いつもの布団の上で(2010年7月21日撮影)


心臓が停止したのだ。体のまだ生きているすべての場所が最期の力を振り絞って、生にしがみつこうとする、それが身もだえの力となるのだろう。
心臓が停止してからも、呼吸はまだ続いていた。肺とその関係器官は、心臓の停止を受け入れていないようだった。
ミューのときと同じように、市の動物焼却施設で、遺体の処理をしてもらい、用意した骨壷に入れて帰宅した。
ミケが家にふらりとやってきたのは1998年の12月頃。家で飼い始めたのが明けて1999年の一月頃からだから、11年半の付き合いだった。
年齢は、13才にはなっていただろうか、寿命というには早い死であったが、ミケと過ごした時間は、ペットとして十分なものだった。
最期を看取るという、飼い主最後の務めをキチンと果たせるように逝ったミケに感謝。
一緒に過ごした10余年は決して忘れない。