新たな子犬たち9

五匹それぞれ、里子に出した先はばらばらだ。里親の居住環境にも差がある。
郊外の庭付き一戸建てのうちにもらわれていった子もあれば、借家住まいで、庭がないところにもらわれていった子もいる。
大事なのは、そうした住環境ではなく、もらわれていった先で、どれだけ里親に大事にしてもらえるかなのだが、この見極めは実際のところ大変難しい。
とりあえず、一週間ほど様子を見るということで、里子トライアルとでも言うべき期間を設けて、もう一度里親さんのお宅を訪れ、子犬の様子を見るという形で、そのあたりの判断をつけることにした。

  • 里親宅でのゴウ(2011年3月19日撮影)


最初の画像はゴウの里親さん宅での写真。体がずいぶん大きくなって、すっかり里親家族になじんでいた。
私の顔を忘れたわけではなかったようだが、特に懐かしがる様子もなく、割合あっさりとした再会だった。
「あずき」という新しい名前をもらって、すっかり里親家族の一員になっていた。
ちょっとさびしく感じたが、これでいいのだと思う。

  • 里親宅でのハツ(2011年3月19日撮影)


2枚目の画像は、ハツの様子。ハツの里親さん宅には、庭がない。縁側の床下に、木箱で居住スペースを作ってもらっていて、私が訪れると、さっさとそのスペースにもぐりこんで、出てこようとしなかった。
ハツは家にいたときから、一番用心深く、私にあまりなつかなかった。他の兄弟に比べ、体も小さく、里子に出して大丈夫か一番心配していた。
しかし、里親さんにハツの様子を聞くと、里親家族には十分なついているようで、問題はなさそうだった。
庭がなく、家も狭かったが、その分、犬と人の距離が大変近く、ハツにはかえってよかったようだ。「サチ」という新しい名前をもらっていた。
幸薄そうなハツが、つけてもらった名前の通り、幸せに暮らしていけたらこれほどうれしいことはない。