庭スズメ4

毎朝、朝食の時間になると、窓辺にやってくるスズメ。今の時期、朝起きて、一階に行くと、熱気がこもっているので、まずは、雨戸を開けて、続いてガラス戸も開ける。
すると、雨戸を開ける音を聞きつけて、十数羽のスズメが窓の外のすぐのところの塀にやってくる。
そのうちの一羽がとりわけよく懐いていて、画像のように、開けた窓の桟のところまでや
ってきて、餌を催促する。

  • 開けた窓から、中を覗くスズメ(2011年7月2日撮影)


餌は、スティック状の菓子パン。これを小さくちぎって、窓から投げてやると、窓辺までやってくる一羽は、これを空中でホバリングしながらキャッチする。
他の雀たちは、地面に落ちたパンくずを我先にと争って拾い、その場で食べずに、どこかに運んでいく。他のスズメに邪魔されずに、ゆっくりと食べるためだ。
4年ほど前になるが、巣立ちがうまくいかずに、家の庭の地面をうろついていたスズメの幼鳥を何羽か保護して育てたことがある。
飛べるようになってから、何れも外に放したのだが、そのスズメのうちの一羽が、窓辺にやってくるスズメだろうか。
スズメは餌付けしても、それほど人には懐かず、自分から人に近づくようにはならない。
窓辺の桟の所に止まるほど人に懐くには、やはり特別の事情があるように思う。
スズメが窓辺にやってくるようになったのは、二年ほど前からのことだ。
そのとき、毎朝窓辺にやってきたスズメは、ひょっとしたら、私が保護して外に放したスズメの可能性がある。
そのとき、このスズメのヒナであろうか、三羽ほどの幼鳥が、すぐ近くの木の枝に止まって私が窓辺にやってきたスズメにパンを与えるのを見ていた。
現在、毎日窓辺にやってくるスズメは、どうもこのときの幼鳥のうちの一羽のような気がする。
餌をくれる人間がいることを小さいうちに母スズメから教わり、そして今また今度は自分の子スズメに同じことを教えているようなのだ。
鳥の世界にも、自分の経験を後の世代に伝えていく、すなわち文化があるのだと思う。