花の色はうつりにけり

私の住む地域の入梅はまだのようだが、もう何日もからっと晴れた日はなく、事実上の入梅だ。
梅雨の時期に元気なのがアジサイ。家の庭には地植え4種、鉢植え2種のアジサイがあり、それぞれが違った花色で梅雨の時期の庭を彩る。
アジサイの花の色と言うと、アジサイが植えられている土壌のpHで咲く花の色が変わり、酸性なら青色、アルカリ性なら赤色になるといわれている。
ネット検索してみると、今でもそうした説明を見つけることができる。
しかし、この説明、どうも怪しいというのが私の考えだ。
一時、アジサイの栽培に熱を入れた時期があり、その頃に読んだ園芸書にも上記のような説明があった。
そこで実験。HC、園芸通販などで購入した青花種と赤花種をそれぞれ、中性、酸性の用土で栽培してみた。
青花種をアルカリ土壌ではなく、中性にしたのは、アルカリ性の土壌では、日本原産であるアジサイがうまく育たないかもしれないからだ。
実際、アルカリ性の土壌を好む植物はほとんどない。アルカリ性でも育つ植物はあるが、アルカリ性が好きなわけではないようで、だいたいこの辺から、土壌がアルカリ性だと、アジサイの花が赤くなるという話がウソっぽいのだ。
栽培を始めて、およそ一年後、それぞれの用土で栽培したアジサイが咲いた。
その花の色だが、用土のpHが花の色に影響すると言う点はその通りだったが、中性の用土で育てたアジサイが赤い花を咲かせたかと言うと、そうはならなかった。
土気色とでもいうか、青色に茶色を混ぜたような非常に汚い色の花が咲いた。色が汚い上、色が均一ではなく、とても鑑賞に堪えるような花ではなかった。
一方、酸性土壌の赤花種だが、こちらもきれいな青色にはならなかった。
実験に使ったのは、西洋アジサイで、日本産のアジサイがヨーロッパで改良され、それがまた日本に逆輸入された品種だ。