多肉植物と肥料


画像は何を撮ったものかというと、どちらの鉢にも勝手に生えている不死鳥。
不死鳥はそれぞれの葉にちっちゃな株がいっぱい付いていて、これがちょっと触れるだけで落下して、そこに土かあれば、根付くというやり方で増えていく。
画像の左側のサボテンの鉢にも、それから、もともとバラが植わっていた右側の鉢にも、この不死鳥の子株がこぼれ落ちたのだろう。
しかし、この二つの不死鳥は大きさがまるで違う。なぜこれほど大きさが違うかといえば、それは、それぞれが生えている鉢土の栄養分の差だ。
左側のサボテンの土には栄養分は全くといっていいほどない。サボテンや多肉の栽培に私はいわゆる元肥えは全く使わない。
追肥といっても、ごくたまに、規定倍率をはるかに上回る希釈倍率で薄めた液肥をほんのちょっと、それも一年に数えるほどとか施さないので、基本無肥料栽培といっていいと思う。
さて、もう一方の鉢。サボテンと多肉栽培にはまる前に熱中していたのがバラの栽培。
バラの栽培は、肥料と農薬で育てるといわれるぐらいたくさんの肥料がいる。
元肥えはもちろんのこと、追肥も頻繁に行うから、その用土には、時間がたってもかなりの肥料成分が残っている。
そこに落ちた不死鳥の子株、肥料を吸収しまくって巨大化した。これって天国と地獄?
つまり、肥料分の少ないほうが地獄で、肥料たっぷりのほうが天国かというとそうでもない。
不死鳥と同じように、以前はたくさん栽培していたスミレの種がバラ鉢にこぼれ落ちたり、サボテンの鉢にこぼれたりして勝手に生えることが良くあった。
スミレも同じように、バラの鉢に生えてきたものは、これがスミレかと驚くほど巨大化する。
しかしこの巨大化したスミレにはほとんど花が咲かない。咲いても数が少ない。株は巨大化しても、花の大きさは同じだから、相対的な花の大きさがとても小さく、みすぼらしい。さらに病気に弱く、簡単に枯れる。
一方、サボテンの鉢で育つスミレは、丈も低く、葉の大きさも小さい。しかしというか、それだからこそ、花の数がとても多くなり、一斉開花すると、葉が見えなくなるほどだ。
どちらの土壌がスミレにとって天国か、これはもう言うまでもないだろう。
そして多肉植物。これがバラと同じように肥料を好むか、そうではないか。このあたりを良く考えて栽培する必要がありそうだ。