日本人の英作文28

これまで、数回にわたってcomeとgoの使い分けについて述べてきた。
ここまででも、日本人がまちがいやすい点がいくつもあったが、comeがある場所、またはそこにいる人への接近動作で、その場所に到着して、動作が完了すること。
その逆にgoはある場所、またはそこにいる人からの離脱行動で、その場所に居る人から見た場合、goの動作は短い時間で完了することを理解していれば、使い方を間違えることはないだろう。
次にcomeとgoの使い分けで、二者が同行する場合を考えてみる。
日本語で、自分(話し手)がある場所から出かけるときに、その場所居る誰かに、同行を求める場合をどう表現するかを次に示す。
1. 一緒に来ませんか/来い
2. ついて来なさい/来い
3. 一緒に行きませんか
上記例文のうち、1.と2.は行き先が相手に明示されている場合と明示されていない場合があるが、3.は行き先の明示がなければ成立しない言い方だ。
いずれにせよ、同じような状況の時に、日本語では、「行く」と「来る」のどちらでも成り立つ場合がある。
しかし、英語では、行く先の明示、非明示いかんに関わらず、この状況で使えるのはcomeのみだ。
例文1および2では、動詞が「来る」だからいいとして、例文3の場合は、日本人がまちがいやすいと思う。
この文をWhy don't you go with me?とか、Will you go with me?とやると間違いだ。
次に、例文1〜3のような誘いや命令を受けた場合の返答だが、日本語の場合、どの例文の場合でも、「はい、行きます」か「いいえ、行きません」のどちらかで、どっちの場合でも、動詞は「行く」を使う。
ところが、英語はここでも、comeしか使えない。
同行ではないときのcomeとgoの使い分けは、接近関係か、離脱関係で説明がついたが、上記のような同行を求める時および、それに答えるときに、comeを使う理由を接近関係ではうまく説明できない。