里子訪問(シュン、ツバキ、鈴) その2


二軒目の訪問先は、里子のツバキの里親さん宅。
生活は家族とともに、室内で、遊ぶのは屋上のスペースと、申し分のない環境で暮らしているツバキ。
里親さんに連れられて、出てきたツバキは、明らかに警戒した態度で、ワンワンと吠え始めた。
おどおどした様子から、かなりのヒビリ。もちろん私のことは忘れてしまっているようだった。
近づいて、匂いを嗅がせたら、また反応が変わるかもしれないが、そこまで接近することすら難しそうだった。
一軒目の訪問先のシュンとは同腹の兄弟なのに、ずいぶんと反応が違う。この差は育った環境の差もあるだろうが、もともとの性格の違いが大きいように思えた。
里親さんは、ツバキを連れて、躾け教室にも行ってみたそうだが、他の犬との交流もできず、ずっと椅子の下に隠れたままだったらしく、それでは行くだけ無駄だっただろう。
幸い、車に乗せてもらって、遠出をするのは嫌がらず行くそうなので、外出先で、ほかの犬との交流ができるようになればいいと思う。
車に乗せて、ちょっと遠くのドッグランで、ワンコ友達を作るというのもいいかと思う。犬同士の交流がないと、ヒビリの性格は直すのが難しい。
ツバキにも、小夏と対面してもらうことにした。
しかし、思ったとおり、ツバキの方が警戒して、吠えるので、小夏もそれにつられて吠え返すという展開になり、友好的対面はできずに終わった。