新たな子犬たち2013-3-6

  • 2013年10月28日撮影


10月18日に、一頭だけで保護した子犬にはアロンという名前をつけた。英語の"alone"、つまり「一人だけ」を基にした名前だ。
ウジだらけだったアロンは、その後順調に回復して元気になった。一昨日の体重計測では1.6kgになっていて、保護当日の体重0.86kgのほぼ倍になった。
それにしても、最初に子犬が産まれたと思われる草むらから、その気配が消えたので、その場所を調べてみる気はなかったのに、18日に様子を見に行った時、しっかり調べてみる気になって、本当によかった。
あの時に、草むらを調べていなかったら、その後もアロンを見つけることはなかったに違いない。
また、たとえ18日以降に見つけたとしても、蛆虫がもっとアロンの体を蝕んでしまっていて、取り返しのつかない障害になっていただろう。
これまで、たくさんの子犬を保護してきたが、アロンのように、蛆虫にたかられていた子犬は1頭もいなかった。
なぜそういうことになったのかを考えてみると、アロンの排尿の習性が関係しているように思える。
通常、一ヶ月未満の子犬の場合、母犬が子犬の下腹部をなめてやって、刺激を与えるとそれに反応して排尿する。
その時、子犬の尿を母犬が舐め取ってしまうので、子犬の下腹部はきれいなままで、ハエがたかるということもない。
しかし、アロンは、うちに連れてきて、授乳前に下腹部を撫でて刺激しても何の反応もない。
ミルクを与えている最中とか、授乳後になってにじみ出るような排尿しかしない。たぶん排尿のための反射機能が弱く、刺激に十分反応できないのだ。
そのため、母犬が知らないうちに出てきた尿が下腹部を濡らしたままになり、このにおいに惹かれてハエがたかったのだろう。
濡れたままの子犬の皮膚はすぐにただれてしまい、これが卵から孵ったウジの餌にちょうどいい軟らかさになっていたわけだ。