日本人の英作文2014-1-14

「スノードーム」の続き。
課題文と作文例は次のとおり。

課題文: 「ちがう。あれだよ、あれ、サンタさんが出てきたんだよ、すごいんだ」と、ぼくは言った。
「どうやらいい夢を見たようね」おばあちゃんはそう言うと、またぼくの頭をなでて出ていった。
つぎの日、ぼくはゆうべ起きたことをおばあちゃんに話した。ふたりで一日中、スノードームを見てすごした。
作文例1: "No, it's not a dream," I said. "I saw Santa in there. Incredible, isn't it!"
"It seems the dream was a good one." said she, touching my head gently again and leaving the room.
The following day, I told her what I saw the last night. Then we spent all day watching the dome.
作文例2: "No, that's it. Look that! It's great that Santa came out," said I.
"I think maybe you had a happy dream," she said so and patted me on the head again, then went out.
The following day, I told her what happened last night. We spent all day long watching the snow dome.

「ちがう。あれだよ」の部分、何が「あれだよ」なのかを明らかにしないと、英語としては曖昧になる。
作文例1では、その部分は無視して、何に対しての"No"なのかをはっきりさせるために、日本文にはない"it's not a dream"を付け足した。これはひとつの解決法だと思う。
一方、この部分を作文例2は"that's it"としたが、これは一種の慣用句で、自分がはっきり思い出せない言葉や、事象に関して、相手が正確にそれを示したときに、「そう、それだ」と相槌を打つ場合とか、何かの話をしていて、「これで、この話はおしまい」というときに使う。課題文の文脈で使う言葉ではない。
「あれだよ」というのは、夢などではなく、現実にそこにあるスノードームを指差しての言葉と解釈できるので、ここではそのように英語で表現するのがいい。
「サンタさんが出てきたよ」の部分、作文例1は、"I saw Santa in there"としたが、「出てきた」という表現とは、少しずれている。
また、この部分を作文例2は、"Santa came out"としたが、どこから出てきたのかが表現されていない。
日本語では、こうしたことをけれんなく表現する必要はないが、それをそのまま英語にすると、どこから出てきたのかが不明なため、ドームから外に出てきたという解釈も成り立ってしまうことになる。
英語は表現の正確さを求める言語で、曖昧な日本語の表現をそのまま英語に置き換えると、問題が生じる場合が多い。
「ゆうべ起きたことをおばあちゃんに話した」の部分をどちらの作文例も"I told her"で始めている。
すると、この文の従属節は時制の一致の法則を当てはめて、過去完了形にする必要がある。
「昨日の晩」をどちらの作文例も"last night"としたが、これも時制の一致の書き換えで習うとおり、"the previous night"としておく。
「一日中、スノードームを見てすごした」の部分、作文例1と2のいずれも、"We spent all day"としたが、"all day"を副詞句として使う場合には、"all day""all the day"のいずれでも良いが、ここは、spentの目的語の名詞で、"the following day"のことだから、冠詞の"the"が必要。ネット検索でもこうした文脈では"the"がついている場合のほうが多い。
作文例
"No. It's not a dream but the dome," said I. "Santa came out of the house. Unbelievable."
"You must have had a good dream." she said so, touching me on the head again. Then she left my room.
The following day, I told her what had happened the previous night. We spent all the day watching the dome.