知性が大事#34

さて、授業の中でもとりわけ鮮明な記憶が残っているのが、あるテーマに関して意見を戦わせる授業のひとつ。
そのときのテーマが捕鯨だった。担任のスコットが捕鯨を続けている日本からやって来た人間がいるので,ちょうど良い機会だと思ったのだろう。
オーストラリアは当時から反捕鯨国の中でも急先鋒と言える国のひとつだった。
生徒の国籍は様々,オーストラリア以外の国がこの問題に関してどう思っているか確かめるいい機会だとも思ったのかもしれない。
武田荘で同宿の田中との約束を果たす機会が早くもやって来たわけだ。
スコットはまず、捕鯨に関して賛成か反対かを尋ねた。すると、私を除くすべての生徒がこれに反対。
普通ディベートでは自分の個人的意見をさておいて,あるテーマに関して,賛成派と反対派に等分にグループを分けて討論するが、そんな手法はまだ一般的ではなかったので,個人的な意見を戦わせることになった。
賛成は私しかいないので、率先して賛成の論拠を述べた。