日本人の英作文2015-1

久々の英作文。
といっても、私が指導するクラスではずっと継続して行っていた。
今回の英作文の原文は次のとおり。原文は読売新聞の6月27日付け夕刊の記事から採ったもの。

「つばめのつんちゃん」
保育園ののき下に、つばめが巣を造りました。しばらくすると、ひなが生まれ、2羽の親つばめが、せっせとえさを運んでくるようになりました。
「つばめはね、あたしといっしょ。南の国からきたんだよ」
サリーちゃんは大きな目をくりっと動かしていいました。
「つばめの赤ちゃんは、ここで大きくなったら、南の国にかえるんだ」
その夜、まりちゃんは、サリーちゃんがつばめにのって、空をとんでいる夢を見ました。つばめの背中から,手をふっています。風にのって、気持ちよさそうです。
つぎの日、ふたりは、つばめの巣の下に、1羽のひなが落ちているのを見つけました。
「ひろみせんせい!たいへん、たいへん!つばめが落っこちている」
ひなは、生きていました。けがもしていません。ひろみせんせいは、ひなを巣にもどしてあげました。ところが、きょうだいにたちに押しやられ、すぐにまた落とされてしまったのです。
「大きくなったから、巣がきゅうくつになったのかな。どうしよう…」
おろおろしているひろみせんせいに、サリーちゃんが顔をまっかにしておこりました。
「この子だけ、かわいそう。せんせい、なんとかして!」
「そ、そうだね。じゃあ、かわりの巣を作ってみようか」
ひろみせんせいは、ボール箱にわたをしいて、ひなを入れてあげました。それを、巣の下のたなの上におきました。すると、親つばめはちゃんと気がついて、箱のひなにもえさを運んできました。見守っていたサリーちゃんが、ほっとしたようにいいました。
「よかったね、つんちゃん」
「つんちゃん?」
「うん、名前つけたの。つばめのつんちゃん」
まりちゃんとサリーちゃんは、遊ぶのもわすれて,毎日つんちゃんを見てすごしました。
数日後、つんちゃんは箱のふちにとまって、とんでいる親つばめをじっと見あげていました。親つばめはまるで、「こうやってとぶんだよ」とお手本を見せているかのようです。
「あっ!」
まりちゃんとサリーちゃんは、いっしょに声を上げました。とびました。つんちゃんはついに、箱からとびたって、すぐそばのフェンスにとまったのです。親つばめがおりてきて、つんちゃんをまん中にはさんでとまりました。それから息をあわせ、3羽そろって空にまいあがりました。
「やった!とんだ!つんちゃんがいちばんだ!」
サリーちゃんがとびはねました。巣から落とされたつんちゃんが、きょうだいの中でいちばん先にとべたのです。すいすいすーいと、かっこよくとんでいます。
「南の国にいっちゃうのかな」とまりちゃんがつぶやくと、
「まだだよ。もっとおおきくなってからだよ」とサリーちゃんはわらって、つんちゃんに大きく手をふりました。