こんなところで

グループのメスが全部いなくなって一匹だけになってしまった野犬のボス。
グループで行動していたときには、夜,河川敷を見回りに行くと,多いときで一週間に4日ぐらいは姿を現していた。
それが、一匹になってしまった今は、一週間に一度姿を見せるかどうか。
それでも夜の見回りは毎日続けている。姿を見せるまで,河川敷の遊歩道を当てもなくうろつくのも面倒なので,よく出没するところに,持参したフードを置いておく。
すると、次の日の夜に見に行くと、フードがなくなっているので、まだ元気で生きているのだと分かる。
ところで、最近になって、夜間の見回りに行くと、堤防に別の生き物が出没するようになっていた。
堤防にシルエットだけが見えるので、それが猫なのか犬なのかはよく分からなかった。
大きさからいうとネコよりは大きそう。犬にしては小柄。私が堤防の下の遊歩道を自転車で通るときに,堤防を走って逃げるときの走り方は猫ではない。
飛び跳ねるような走り方で、まっすぐ走るというのも猫とは違う。
一体なんだろうと思っていた。
そして昨日の夜。河川敷道路をずっと行って,Uターンするところまで来たとき、目の前に川の中洲の草むらから飛び出してきたものがあった。
飛び出して私から50mほどのところで、立ち止まり、こちらを見た。
これがなんとキツネ。
飛び出してきた草むらは、数年前まで、野犬のグループが昼間の活動拠点にしていた場所。
野犬が生活の拠点にできる場所は、キツネにとっても活動しやすい場所なのだろうか。
野生のキツネを間近に見たのは初めてだった。