大阪的なるもの

今日、3日の朝刊に、一面ぶち抜きの広告。近畿大学のメッセージ広告。
これがなかなか振るっている。
以下は広告に出ていたメッセージの引用。

正月からにゅるっと失礼します。
わて、近大生まれのうなぎのパチもん、「うなぎ味のナマズ」ですねん。
今、ニホンウナギが絶滅しかかっとるんで、わてが開発されたんですわ。
結構評判よろしいようで、ぼちぼち世の中に広まっていくみたいでっせ。
そういえば、近大がクロマグロの完全養殖に挑んだときも,
「しょせん、養殖」って、パチもん扱いやったそうですわ。
でも今や、天然より美味いんちゃうの! ともっぱらの評判。
パチもんって言われてたんがいつかホンマもんを超えて、世界を救う。
これぞ、「近大の実学精神」から生まれた発想ですわ。
"固定概念"をぶっ壊し続ける近大も,
旧態依然とした大学界から見たらパチもん?的存在かもしれまへん。
せやけど、今、ものすごい勢いで伸びてはりますなぁ。
この勢いでほんま変えまっせ、古くさい大学界なんて。
パチもん、なめとったらあきまへんで。

「ポンキンカン」などという言い方で、揶揄されていたのも今は昔。
実際、私が大学に進学する頃,地元大阪でも,進学校に通う高校生で、
近大を志望する生徒は絶無といってよかった。
あれから、数十年、今の近大は絶好調といっていいのではないだろうか。
大阪的なるものの中に、新しいもん好きというのがある。
「これ、おもろそうやんけ」という理由だけで、何かに取り掛かる。
型破りの進取の気質は、江戸幕府直轄の武家文化を、今だ引きずっている東京にはないものだ。
東京大学を頂点とする大学界もしかり。
伝統だ格式だ、偏差値だのに縛られた大学界の,旧態依然の体質からはなにも新しいものは生まれまい。
上記メッセージ広告は,そのあたりを十分すぎるほど皮肉っている。
しかし、惜しむらくは、近大が現在,拠点を置く東大阪市あたりの言葉遣いからすれば,上記メッセージはおとなしすぎる。
せめて、最後の決め台詞ぐらい、河内弁のドスを効かせるべきだったのでは。
すなわち、「パチもんなめとったら,どつきまわっそ、われ!」