スーパーのレジにて

正月の三日だったと思う。近所のスーパーに買い物に行ったときの事。
あまり流行っていないスーパーなのだが、この日はさすがにどのレジも行列ができていた。
どの列に並べば早く済むかは、多分誰でも考えると思う。
私の場合、年齢がそれほど高くない主婦と思しき女性がたくさんいる列は避ける。
逆に中高年の男性が複数いる列は順番が早く回ってくるので、そこに並ぶ。
なぜなら、こういう年齢層の男性はたいてい自分のものしか買い物しないから,レジ打ちに時間がかからないから。
で、この日もある年配の男性のすぐ後に並んだ。あんまり小奇麗でない服装、伸びた無精ひげなどから、多分買い物は2、3品のみと踏んだからだ。
この男性のすぐ前の女性はかなりの分量の買い物だった。しかし、それが済めば後は時間がかからないだろうと思ったのは誤りだった。
この男性の順番が来たとき、初めて気がついたのだが、彼はカートを押して、このカートの上下二段に購入品が満載されていた。
カートの中身も高齢男性が絶対買わないものが多数含まれていた。
多分、正月で娘,または息子の家族が実家に帰省していて,実家の父親が子供とそのまた子供、つまり孫たちの食べ物を買出しに来ていたのだろう。
かなりの分量の食品が含まれた合計金額は一万円近く。レジ打ちには通常の客3人分ぐらいの時間がかかってしまった。
この男性が押していたカートのハンドルのところにリサとガスパールのイラストがあしらわれた真っ赤なショッピングバッグが架かっていた。
そのバッグには、以前に英語関連で記事にしたことがある"Go with me"のロゴが書いてあった。
こんなショッピングバッグを高齢者の男性が持っていることに真っ先に気がついていれば,その後に並ぶなどということはしなかったのだ。
このバッグは男性のものではないだろう。持ち主は多分、彼の娘か孫娘。
普段は買い物などしない父親が、実家に帰ってきた娘とその家族ために,買出しに行かされたに違いない。
ショッピングバッグを提げているということは、それなりの分量をまとめて飼う予定だったはずで,この点に注目していれば,この男性の後に並ぶと,レジで時間がとられることも推測できたのだ。
アーア、こいつは春からついていない。そう思った新年のスーパーでの出来事だった。