からだのことS2#4

ひどい物忘れの症状が睡眠時無呼吸と関係があることには、気が付かないでいたが、日中の猛烈の眠気は、例えば車の運転中などに起これば、重大な事故につながるので、放置できない。
一応はちゃんとした医者の診断が必要だろうということで、6月にかかりつけの病院で医者に症状のことを話した。
すると、病院からの依頼で検査会社が検査キットを自宅に持ってきてくれて、自宅で検査ができるという。
それで検査してもらうことにすると、数日して、検査会社の若いスタッフが自宅にやってきた。
門の外から、塀越しに検査キットと説明書を渡して彼は帰っていった。
要するに検査は極めて簡単なもの。こんなものでちゃんと検査できるのかと思ったが、最近の器械は小型のものといっても、精度は高い。
二晩続けての検査を終えて、検査キットか同じスタッフによって回収された。
検査結果は診断してもらった病院に届けられる。その結果は次のようなものだった。

★呼吸の状態
〇1時間当たりの無呼吸回数(AHI)…………………21.4回/時
〇全睡眠時間の無呼吸低呼吸回数…………………163回
〇最長の無呼吸時間…………………………………69秒
〇平均の無呼吸時間…………………………………24秒

★酸素不足の割合
〇1時間当たりの血中酸素飽和度低下回数(ODI)…14.3回/時
〇血中酸素飽和度最低値……………………………84%

以上の検査結果から私の無呼吸は中程度と判定された。
この検査結果を見て、医者に何か治療法があるのかと聞いたところ、
「無呼吸は中枢神経によるものなので、治療法はない」との返事。
重症と診断された場合には、酸素マスクを寝るときに装着する方法があるとのこと。
その場合、保険がきくとも。
すると中程度の場合、酸素マスクは保険はきかないから、自費で賄うことになる。
しかしである。
大体こんなものを装着して熟睡ができるのか。できるとして一生それの世話になるのかという疑問がわいてくる。
治療法はないと突き放されて、はいそうですかと手を拱(こまね)いているわけにはいかない。
ものすごい眠気はまさしく今そこにある危機なのだから。